しんかい6500

 今回は日本が世界に誇る有人潜水調査船「しんかい6500」のプラモデルを作ったよ。はーい、質問でーす。なんでガンプラ野郎が突然「しんかい6500」作ったんですかぁ? それはね、話せば長ーい長ーい、おい、そこ寝るな!!

 しんかい6500は独立行政法人海洋研究開発機構(JAMSTEC ジャムステック)に所属し、つい最近まで20年以上の長きにわたって科学調査用有人潜水船(一発勝負の冒険ではなく定常的に調査活動を行なう潜水船)による最大潜航深度の世界記録を持っていた優秀な船だ。その船が所属し日本の海洋研究開発拠点であるJAMSTECの本部が我が町にあるのだ。JAMSTEC一般公開日には駅前のバス乗り場がけっこうな混雑をみせるほど人気なんだぞ。

 ゆえに郷土愛が強い私は、我が町の誇りであるJAMSTECが有する「しんかい6500」のプラモデルを作らなければならないと確信したわけだ。「お前に郷土愛があるなんて初耳だ」という突っ込みはしないでくれ、たのむからそこは突っ込まないでくれ。ちなみにJAMSTEC本部のすぐ近くには日産自動車追浜工場もある。「だったらマーチとかスカイラインのプラモデルも作れよ」という突っ込みはしないでくれ、たのむからそこは突っ込まないでくれ。

 今回作ったのはバンダイがExploring Lab.のブランドで発売している1/48スケール。さすがガンプラで培った脅威の金型技術。相変わらず接着剤なしでパチパチ組み立てられるし、かなりの部品が色分けされているので切って組み立てるだけでそれなりに見応えのあるモデルができあがる。パネルラインとネジ穴にグレーで墨入れすればほぼ完璧。

 ただ一点残念なのは実物は船体上面に滑り止め塗装がされていてその部分が薄茶色に見えるんだが、プラモデルでは白のまま。せっかくなんでヘタクソなりに塗ってみたよ。ちょっと濃いめの色になっちゃったけどまあいっか。


 LEDがついているので、こんな感じで光らせることができる。寝る前に真っ暗な部屋の中でLED点灯するともう気分はすっかり深海探査! ピコーン、ピコーン、ゴゴゴゴ・・・シューッ、カコーン・・・とか。いきなりカミさんが部屋に入ってくるとかなり恥ずかしい。

 そうそう、LED点灯部周辺の外板パーツは裏を黒で塗りつぶしておいた方が光漏れがなくなってピコーン、カコーンの雰囲気が抜群によくなるよ。

 右側面のパネルを取り外すと蓄電池などの内部構造も見ることができる。この状態で展示できるように透明な外板パーツも用意されている。



 外板をはずしていくと耐圧殻を見ることができて、さらに耐圧殻の内部も見ることができる。うわっ、狭ーい! 男3人がギッチギチに詰まってる。耐圧殻内部の機器表面は水転写デカールを貼って作るんだけど細かい凸凹モールドがあるところにキレイに貼るのはさすがにしんどかった。内部はめったに見せないんだから苦手な人は無塗装、無シールで組み立ててしまってもいい。

 それにしてもさすが『”知の魅力”を伝える理工系プラモデル』と銘打ったExploring Lab.シリーズだけはある。内部構造やLEDもそうだし、組み立て説明書の半分くらいは実物のしんかい6500の解説や写真になっている。これを読むだけでもちょっとしんかい6500に詳しくなった気になれる。

 ん? 2機あるんですけど。

 しんかい6500は2011年11月から2012年3月まで約半年に渡る大改造を受けて生まれ変わったのだ。くわしくはJAMSTECプレスリリースとかマイナビ/レポートを読んでいただくとして、バンダイ様は従来のしんかい6500に新規パーツを追加した「しんかい6500(推進器改良型)」も発売してくれました。う、うれしいです。でもサイフにはうれしくないです。従来型のパーツに改良型用のパーツを追加しているので使わないパーツ(従来型用パーツ)がいろいろ出てきます。パッと見どこが違うのかわかりにくいですが、よく見ると大改造のようすがプラモデルからもわかるようになってます。細かいところがいろいろと部品が差し代わってるんですよ。

  • 前部カメラ類の一部が改良されてます。
  • ハッチ上部のセンサー類が改良されてます。
  • 音響ピンガーの間にセンサーらしきものが増えてます。
  • 後方にも水平方向推進器が増設されてます。
  • 垂直尾翼が小さくなりました。
  • 蓄電池が酸化銀亜鉛電池からリチウムイオン電池に変わってます。
  • そしてメイン推進器が大×1から中×2に変わってます。

 そ、そこまで「しんかい6500」が好きなのか?!って聞かれると困るんだけど(困るんかい)。地元の銘品がプラモデルになって目の前にあるってのはなかなかいいもんだよ。ハハハハ。