えむあん、どえ〜

M&Aは、Mergers and Acquisitions の略で直訳すると「合併と買収」。複数の企業がひとつになることね。毎晩見てるテレビ東京のワールドビジネスサテライトでもCMで「えむあんどえ〜」なんて連呼してるし、人身売買は違法だけど、法人売買は商売になるんだね。でもさ、売りに出される自動車がなければ中古車販売が商売にならんのと同じように、売りに出される企業がないとM&A仲介も商売にならんよな?売りに出てる会社ってそんなに多いのか?多いんだろうなあ、なんてボーッと思ってました。

自分には関係ない話だと思ってたんだけど、なぜか去年あたりから『あなたの会社と業務提携したいと考えている大企業があります』みたいな内容のお手紙やお電話があちこちのM&A仲介業者から届くようになった。いや、ほんとほぼ毎週のようにどこかかしらのM&A業者からお手紙が届く。世の中にはM&A仲介を商売にしてる会社ってこんなにもいっぱいあるんか、と驚くと同時に、なんでうちの会社?とも思う。不思議だ。

まあ、どのお手紙もどのお電話も、一流企業が・・上場企業が・・大手企業が・・うちの会社を買いたがっている(業務提携したがっている)というだけで、具体的にどの企業が買いたがってるのか明言しない。「まずは、お話を・・・」ってだけ。たまに、買い手側についての紹介資料っぽいものとかプレゼン資料っぽいものを付けてくるお手紙もあるけど、どれもそれっぽい雰囲気があるだけで結局は具体的な買い手の名前が出ないんで、ニセモノ感がより一層きわだつばかり。だいたいうちの会社は資本金たったの70万円で化粧品開発という超絶ニッチな分野のITとピアノ教室とヨガ教室とコーラス教室とレンタル音楽スタジオと化粧品技術コンサルをやってる意味不明な会社なんだよ?それをどのM&A仲介業者も判を押したように「貴社のような有力なIT企業と業務提携を望んでいる大手企業が具体的にあります」とかいうし。どこの大企業がこんなちっぽけなわけわからんこといっぱいやってる零細企業と業務提携しようってのさ。M&A仲介業者自身がうちの会社の事業内容をわかってないのに具体的な買い手があるわけないじゃん、て思う。

M&A仲介業者ってなんとなくスマートな人たちがスマートな仕事してそうに見えてたけど、そんなことなくて、自動車販売とか不動産販売みたいな泥臭いゴリゴリの営業の世界なんだということが垣間見えた今日この頃。転職仲介も、M&A仲介も、結局のところ「仲介手数料」を手に入れるためには売り手と買い手の要望とかどうでもよくて、とにかく売り手と買い手をバンバンくっつけて手数料ゲットという流れ作業なんだね、きっと。