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IMS 1/100 L.E.D.ミラージュV3 (インフェルノナパーム)

永野護の漫画「ファイブスター物語」の冒頭で登場した準主役のロボット(モーターヘッド)が「L.E.D.ミラージュ」。リアルロボット路線にありながら騎士が用いる「美しさ」を体現しかつ超絶性能を持つスーパーロボット路線でもあるその衝撃的な姿は高校生か大学生だったお子さまなわたしのハートを鷲掴み。

ファイブスター物語第1巻冒頭

ボークス社から IMS(Injection Assembly Mortar Headd Series)のブランド名でモーターヘッドのプラモデルが発売されていて、もちろんL.E.D.ミラージュもある。連載中に何度か設定変更があって、IMS でプラモデル化されたのは超絶長〜い火炎放射器(フレームランチャー)と背中の超絶巨大なタンクが強烈なインパクトをはなつイラストで描かれた「L.E.D.ミラージュ v3」と呼ばれる比較的最近の設定に準じたモデル。

準主役級だけあって L.E.D.ミラージュ v3 のプラモは、その後も武装などの装備品をいろいろ変えて「単騎仕様Ver.」「=デルタ・ベルン 3007=(式典仕様)」「軽装仕様」「先行量産型 =ジュノー 2989=」が発売されている。最初のモデルはのちに発売されたこれらのバージョンと区別するために「インフェルノナパーム」と呼ばれることが多い。今回は、このインフェルノナパームを作るよ。

ボックスアートにはベイルを右側に装備したタイプが描かれている

さて、インフェルノナパームの箱絵にはベイル(盾)を右側に装着した騎体が大きく描かれてるが、実際にはこのプラモデルには右腕にベイルを取り付けるためのパーツがないので再現できない。ちなみに奥にいる騎体は左にベイルを装着しているけど取り付けパーツはベイルを正面に構える向きになっているので、ボックスアートのように側面に構えさせるのも結構無理がある。

えーっ、ボックスアート詐欺かよ。

まあそう言うな。パケ買いするような一般人向け商品じゃないんだから。でも、パッケージのポーズを再現してみたいとも思う。そういえば、式典仕様はベイル取り付けパーツが左右対称で2個付属する。このパーツをインフェルノナパームに流用すれば右腕にベイル取り付けできるだけでなく、左右両側にベイルを装着した夢のダブルベイルができるんじゃないだろか。

しかし式典仕様に付属するベイルは戦闘用のベイルとデザインが違う。式典用のシュッとした細身のベイルだ。インフェルノナパームをダブルベイルにするにはどこかからメインベイルをもうひとつ調達しないといけない。そういえば、軽装仕様には戦闘用ベイルが付いてるな。しかも軽装仕様には実剣も付いているし、漫画初期デザインのベタ足が再現できるパーツも付いてくる。

結論:インフェルノナパーム、式典仕様、軽装仕様のサンコイチで

IMS L.E.D.ミラージュ V3 インフェルノナパーム・ダブルベイル・実剣装備・ベタ足

を作ろう。さっそく3種類購入。

モーターヘッド本体は基本的に「軽装仕様」の説明書とパーツで組み立てていく。組み立ての最中は常にインフェルノナパームと式典仕様の説明書も見比べながら必要なパーツをインフェルノナパーム、式典仕様それぞれから切り出して組み合わせていく。

頭部

インフェルノナパームでは頭部の張り出し部分は右側面/上面/左側面の3パーツ構成だったのが、式典仕様のときから一体成形に更新されてる。以前、単騎仕様Ver.を作ったときに細くとんがった3パーツを綺麗にそろえるのはなかなか難儀な作業だったから、一体成形になってくれてかなり楽になった。モーターヘッド本体を軽装仕様ベースで組む理由の一つがこれ。

また、軽装仕様にはトサカの根本部分にある炎のようなレリーフを再現するデカールが付属している。インフェルノナパームにはこのデカールがないのでこれもポイント。

なお、頭部に限らずこのプラモデルは表面に離型剤(固まったプラスチックが金型から外れやすくするために使われる油分)が残っているので、塗装前に中性洗剤といらない歯ブラシで表面をガシガシ洗う。そしてみんな大好き山善の食器乾燥機でよーく乾かす。これがけっこう面倒くさい。

胸部・背部

曲面を多用した細かいパーツがごちゃごちゃっとかたまってできている胸部。ほれぼれする美しさ。いつまででも見ていられる。

インフェルノナパームの巨大なタンクを背負う時の差し込み口になるので背中のA-21とA-22パーツは使わないで空けておく。

塗装は、フレームは成形色のままを基本として部分的に水性ホビーカラー「パープル」を使用してエナメル黒で墨入れしたら水性ホビーカラーの「つや消しクリアー」でコート。白色半透明の外装はエナメルグレーで墨入れしたら水性ホビーカラーの「ホワイトパール」でキラキラ感を出した上から水性ホビーカラーの「クリアー」でコート。シルバーの装甲は水性ホビーカラーの「スーパーメタリック スーパーファインシルバー」で塗装した上から水性ホビーカラーの「クリアー」でコート。

腰部

腰中央部前装甲(股間装甲)は右側面/上面/左側面の3パーツ構成だったが式典仕様のときから一体成形に更新されてる。

お尻の出っ張りは巨大なタンクを支えるためのフィンフェルノ・ナパーム装備用尾部パーツA-13とA-14をインフェルノナパームから取ってきて組む。間違えて軽装仕様の尾部を組んでしまわないように注意。

脚部

股関節、ヒザ関節は可動式と固定式が選択できる。巨大な武装を持たせるのでがっつり接着して固める固定式を選択。

足は軽装仕様で追加されたかかとを展開したベタ足状態のパーツで組んだ。プラモの組み立て説明書には漫画連載初期のイラストが掲載されている。このイラストのとおり漫画の初期段階ではベタ足だったのが、途中でハイヒールにデザイン変更された。

漫画連載当初はベタ足

ベタ足のかかと2本が立ち上がってくっつくと1本のハイヒールになる・・・って後付け設定があるらしいけどどう見てもそうはならんだろという形。ベタ足の方が地に足がついている感じだからインフェルノ・ナパーム装備にこそ似合うよね。

肩小型装甲は組み立てず、インフェルノナパームから副腕と小ベイルを取ってきて組む。小ベイルは最終的にどうなるかわからないので両方とも副腕が取り付けられるタイプで組んだ。

前腕部は左右ともにいったんベイルを取り付けるバストブロックのパーツは作らずに進める。

袖口の銀色の装甲に、式典仕様だとミラージュマークのデカールを貼ることになってる。でも、インフェルノナパームも軽装仕様もなんなら単騎仕様もここは何も貼らないので、袖口にミラージュマークは式典の時だけだと解釈して貼らない。

これで、本体は完成。ここからはインフェルノナパームの説明書に従って背中のタンクと巨大なフレームランチャーを組み立てていく。

背中の巨大タンク

これが、もう、大変。はまらないわ、届かないわ、スキマでかいわで、パーツ同士の合わなさっぷりがもう想像を絶する。ガンプラ脳の私は絶望のずんどこ。

確実に接着していいところは接着して、あとはマスキングテープをガシガシ使って仮組みしてみる。で、全然かみ合わないところを切った貼ったで帳尻合わせを考える。考えるんだけど、どうしていいのかまったくわからん部分もちらほら。

いや、これ、ぜったいこのままじゃハマらないだろ

並行して、背中の取り付け部分のすり合わせも進める。

塗装して接着してる最中も組み立て方にまだ悩んで、あーでもない、こーでもない。ほとんどの部分はなんとかすり合わせできたけど、最終的に外からほとんど見えないパイプの根本部分だけは無理に穴に差し込まずズレた位置に乗せるだけにした。

しかしそんな苦労も組み上がった巨大な背負いものを見れば一発で吹き飛ぶ。お子さまロボット脳には垂涎ものよ。こっ、こ、これは、か、か、か、かっこいい!!

メインベイル(盾)

インフェルノナパームのメインベイルと軽装仕様のメインベイルをそれぞれ組み立てる。見た目はほぼ同じだが軽装仕様の方がパーツ構成が簡略化されていてだいぶ軽くできている。

左が軽装仕様、右がインフェルノナパームのメインベイル

ここでやっと式典仕様の登場。前腕部にベイルを取り付けるためのバストブロックを左右両方作る。

このパーツを使ってベイルを腕に取り付けてみる。

あ!ん?あっ!!え?! 小ベイルがメインベイルとぶつかるのか。これはポージングに苦労しそうだな。左肩は小ベイルじゃなくて肩小型装甲にした方がいいかな。

ン?ン?ン? あちこちちょっとずつひねりを入れながら収まりのいいポーズを探す。こ、こんな感じかな?

フレームランチャー

さて、いよいよ最終段階。長ーい、長ーい、得物。厨二心を鷲掴みの超ロング火炎放射器。火炎放射器がこんなに長い必要あるんか?あるんだ。きっと。デカイけどパーツ構成は比較的簡素。前方と後方の内部フレームをモナカ構造で作って、これまたモナカの半透明外装をかぶせて、アルミ棒で前後を連結って感じ。説明書通りにサクサクっと切り出して塗装してデカール貼ってトップコート塗って組み立て。

長い、長いなあぁ。内寸幅79cmの棚いっぱいだぁ(嬉)。

エネルギーチューブ

キットではタンクとランチャーをつなぐエネルギーチューブが固定形状になってるんだけど、ここは柔らかいケーブルにした方があとで展示したり移動させたりする時にだいぶ楽になると思う。タンクとフレームに接続する両端はプラの固定パーツを使って、その間のケーブル部分をなにかそれっぽいもので自作しよう。

いろいろ考えて、いくつか使えそうな部材を買ってきて、いろいろ試しながら作ったのがこれ↓。

ハイキューパーツの「メッシュワイヤー レッド 約2.0mm」にハイキューパーツの「MZパイプ ブラック5.0mm」と「真鍮製ワッシャー内径3mmx外径6mmx厚さ1mm」を通して、三角おにぎりではさむ。

ホームセンターの金物コーナーにあったごく普通の真鍮製のワッシャーが思った以上にイメージ通りの仕上がりでうれしい。両端はほつれ止めとおにぎりからの抜け止めを兼ねてちょっと大きいホッチキスの針でかしめた。

小ベイルからランチャーをつかむ副腕も小ベイル側は引っ掛けるだけ、ランチャーからタンクに伸びるエネルギーチューブもタンク側は差し込むだけにする。副腕もエネルギーチューブも簡単に外れるので移動させるのが楽。

ただしこれではランチャーを保持する部分がないので支持台が必要になる。ランチャー前方の支持台は説明書通りに作った。ランチャー後方はもともとは副腕とエネルギーチューブで保持することになっているので支持台はない。そこでグッドスマイルカンパニーの「THE シンプルスタンド」でがっちりホールドよ。

おし、あと少しだ。

実剣

インフェルノナパームの初回生産分には特典で実剣が1本付いていたらしいけど今は付いてない。でも軽量仕様には実剣が2本付いている。これも取り付ける。盛り盛りだぜ。

ただ、取り付け角度が水平方向固定になっていてこのまま取り付けようとしてもサヤが背中のタンクにぶつかって取り付けできない。

タンクとぶつからないもっと斜めに取り付けられるように小改造。腰のサイドアーマーに3mm穴を開ける。実剣を保持するパーツにも3mm穴を開けてこちらには適当な長さのランナーを差し込んで接着。角度調整可能な差し込み式に変更した。

実剣を斜めに取り付けたので背部のタンクとぶつからない

ベイル装備

組立説明書のポーズを参考に、右腕はひねりながら火炎放射器に上から手を添えるような感じにすると、ベイル取り付け部が上方を向いてくれる。ベイルを取り付ければ肩から手先にかけて自然な感じでベイルが覆い被さってくれる。ベイル→右腕→フレームランチャー→台座と縦方向に支えているのでベイルが重くても腕が垂れ下がることはない。

火炎放射器をしっかり下支えしてその上に左腕を乗せてその上にベイルを乗せる

ベイルの取り付け部はボールジョイントである程度動かせるので、収まりのいい置き方に調整する。

うん、まあこんな感じだろう。

問題は左腕だ。肩の小ベイルと干渉せず、それでいて自然なかっこいい構え方はないだろうかとあれこれ試行錯誤。式典仕様のバストブロックではなくて、インフェルノナパームに付属しているバストブロックか、小ベイルから副腕を使って構えさせた方が自然かな。うーん。

うーん。軽装仕様は左右で大きく違う、インフェルノナパームのバストブロックだと左右対称っぽい、副腕は体から少し離れて宙に浮いてるような感じ。どれも捨てがたい。

左腕も式典仕様のバストブロックにして側面に構えることにした。

IMS 1/100 ナイト・オブ・ゴールド・A-T

永野護の漫画「ファイブスター物語」に登場するロボットが「モーターヘッド」。英文字でのスペルは Mortar Headd。Mortarは、漆喰(モルタル)という意味の他に「迫撃砲」という意味がある。Headは頭だけど、この漫画では「神」を意味しているそうな(最後のdは強調表現なんだってさ)。

迫撃砲神!

厨二病が暴発している感じの命名だけどそれでイイ。

ちなみにファイブスター物語は、英文字で The Five Star Stories と書かれてるんだけど、星が単数形で物語が複数形っておかしくない?Five Stars Story だと思うんだけどそれでイイ。

さて、ナイト・オブ・ゴールド・ATは、昔は「パトラクシェ・ミラージュ」って名前でわたしはこっちの名前の方がなじみがある。先に作ったザ・ナイト・オブ・ゴールドと兄弟機。デザインとしては頭部の形状以外は同じ。ただその頭部形状があまりにも違うのでそれだけで十分別物としての存在感がある。

デザインがほぼ同じだから作り方もほぼ同じ。あっちは生まれて初めての本格的な塗装で半泣きだったけど、もう泣かないぞ。泣いてないけど。箱を開けてみると成形色がなかなかどうして落ち着いた感じの金色に見えないこともないこともないこともないかもしれないという程度にいい感じなので、ふと「成形色で仕上げちゃってもいいんじゃないかな」と誘惑する心の声。

組み立て説明書の冒頭に漫画連載当初に書かれたイラストが載ってるんだけど、成形色のままでもイラストに近いそれなりな見応えする仕上がりになる気はする。

うーん、迷うなあ。全塗装するかしないかは、全塗装ド素人の私にとってはかなり大きな問題だ。

でも全塗装したザ・ナイト・オブ・ゴールドと並べることを考えるとこいつも金色で塗装しないといかんだろうな。こいつも全塗装することにする。さあ、いくぞ。

頭部以外はK.O.G.とほぼ同じなのでいつか来た道をゴーゴー。まずは、パーツを切り出して仮組みしつつ、同じ色で塗装するパーツ同士はここで接着してかたまりにしていく。

ある程度のかたまりを作ったら表面に残っている離型剤(油分)を落とすために中性洗剤で洗う。いらなくなった歯ブラシでゴシゴシ、ゴシゴシ。洗ったら、みんな大好き山善の食器乾燥機で乾燥。

週末に数時間ずつしかプラモデル作る時間がないので、ここまでで2週間ほど経過。次の週末までじっくり乾燥するよ。

KOGは赤金で塗った

さて、いよいよ塗装だ。金色って赤みが強い「赤金」と、白みが強い「青金」っていう大きく2種類ある。クレオス水性ホビーカラーのゴールドは赤金だったし、世間的にもザ・ナイト・オブ・ゴールドは赤金で塗装する作例が多かったから迷うことなく赤金で塗った。

さて、今回も水性ホビーカラーで塗装するなら同じ赤金にならざるを得ないんだけど、同じ色だとKOGと並べた時にぱっと見で違いが分かりにくいだろうし、なにより世間的にはKOG-ATは「青金」で塗装することが多い。長い物に巻かれるのが大好きなわたしとしては見逃すことはできない。そこでこいつの金色は「青金」に決めた。

決めたはいいけど水性ホビーカラーのゴールドは赤金。水性ホビーカラー以外の水性塗料でよさげな青金を探すことに。しかし、生まれてこのかたプラモデルの塗装にはグンゼ産業(現GSIクレオス)の水性塗料しか使ったことないので、困った。以前だとプラモ用の水性塗料といえばクレオスの「水性ホビーカラー」かタミヤの「アクリル塗料ミニ」くらいだったから迷いようもなかったけど、最近は、クレオスに「アクリジョン」という水性塗料が登場し、海外製品の「シタデルカラー」「ファレホ」なんてのまで登場してきて、ネットで調べれば調べるほどわからなくなる。

このプラモデルを作っているボークスという会社は、海外の水性塗料「ファレホ」の輸入販売もしてる。迷った挙句、ファレホで塗装することに。ところがファレホって色数が豊富で金色だけでも「ゴールド」「オールドゴールド」「ブラス」「ゴールドブラウン」「ゴールドイエロー」「グロリアスゴールド」・・・・・・金色だけで何色あるんだよ。よくわかんない。しかも「モデルカラー」「モデルエアー」「ゲームカラー」「ゲームエアー」「メカカラー」「メタルカラー」と用途別にサブブランドがあってもう何が何だか。迷った挙句、エアブラシ用に希釈済みの「メタルカラー」というサブブランドの「ゴールド」を買ってきた。これが失敗だったんだけど。

外装の色が決まったので、まずはフレームや内張り部分の塗装から。ここはザ・ナイト・オブ・ゴールドと同じ水性ホビーカラーのカッパーで塗装。広い面積を均一に塗るために買った「イージーペインター」が今回も活躍。

引き続き、メインの金色(ファレホ メカカラー ゴールド)での外装の塗装に移ったんだけど、ここで問題発生。メカカラーというのはエアブラシにそのまま使えるように希釈されている。イージーペインターもエアブラシみたいなものではあるんだけど、一般的なエアブラシで使われる空気圧よりもエア缶ってだいぶ圧力が高い。こんなに高い空気圧でシャバシャバに希釈された塗料を吹き付けたら、空気の勢いで塗料が吹き飛ばされる感じにダラダラーって波のように広がってしまう。ちょっと考えれば当たり前なことだったんだけどうっかりした。

メタルカラーのゴールドはやめて、筆塗り用のモデルカラー「オールドゴールド」を書い直すかなあ。でもエアブラシ用の塗料の使い道がないなあ。どうしようかな。

ということで、一念発起してエアブラシを買うことに。とはいうものの、エアブラシ塗装なんてあと残り20年もないのプラモ人生の中で何回やるんだ?と考えると数万円もする本格的なエアブラシ道具を一式揃えるのもなんだよなあ。もんもんとしながらポチったのが RAYWOOD って会社のエアブラシと小型コンプレッサーとバッテリーが一体になったハンディエアブラシ「PROFIX Tech Liner 充電式エアブラシセット TR-02 PRO」。

要約すると「電源入れて、上部のカップに塗料を入れて、レバーを引けば霧吹きできる」ってしろものだ。バッテリー駆動の小型コンプレッサーなので空気圧は低いから塗装しにくいという話も聞く。空気圧高すぎのイージーペインターのあとは、空気圧が低いハンディエアブラシを買うとか、もう来年あたりには普通の数万円するエアブラシ道具を一式揃えてる未来しか見えないな。

とりあえず、エアブラシの使い方を解説してる模型雑誌やネット記事を斜め読みして、いざ塗装開始。聞きかじった話によると、水性塗料はエアブラシの先端部分で固まって詰まりやすいらしいのだが、その通りだった。カップ2回分くらい吹くと詰まる。分解して先端部分の固化物を取り除いたらまた塗装、の繰り返し。メンドクセー。もう半年後あたりには普通の数万円するエアブラシ道具を一式揃えてる未来しか見えない。あ、普通のエアブラシ買っても水性塗料は詰まりやすいのか。じゃ関係ないな。

骨格を中心に銅色に塗る部分は水性ホビーカラーをイージーペインターでブシュー。外装を中心に金色に塗る部分はファレホ メカカラーをハンディエアブラシでフシュー。

どうしても色分けが必要なところはマスキングテープを貼って、ブシュー、フシュー。

写真撮り忘れたけど、オデコのあたりにあるレリーフは今回も筆塗り。息を止めて、震える手を押さえながらチマチマと。あいかわらずはみ出てみっともないけど、老眼だから近づかなきゃわからんし、近づいてもわからん。老眼万歳。ファティマハッチの黄色は付属の水転写デカール。だいたいIMSをネットに載せるような人は、ここもちゃんと塗装でカッチョ良く仕上げるもんらしいが、俺にはムリ、絶対ムリ、そんなのめんどくさすぎる。

さて、色塗りが終わったら最後に水性トップコート[光沢] を吹き付けて、乾かして、吹き付けて、乾かして、を繰り返せば塗装は完了。

あとは、接着しながら組み上げていくだけ。

さて、完成よ。

ガンプラでウヒャウヒャしてる軟弱プラモデら〜でも、まあ遠目にはそれなりにカッコよく仕上げることができたので今回も大満足。

自分が好きなモーターヘッドはもうこれで全部作ったので、もうIMSは大好きなアシュラ・テンプルか、エンゲージSR2かSR3 でも出てこない限りは作ることはない・・・・はず。

IMS 1/100 エンゲージ SR1

永野護の漫画「ファイブスター物語」で登場するロボット(モーターヘッド)は、テレビアニメ「重戦機エルガイム」で自身がデザインを担当したロボット(ヘビーメタル)の流れを強く感じさせるものが多く登場してた。

ファイブスター物語の序盤で、重戦機エルガイムの主人公が乗るヘビーメタル「エルガイム」のデザインをモチーフとした「ジュノーン」というモーターヘッドが登場した。その後、漫画では物語の進展に伴いジュノーンは「エンゲージ」と呼ばれるコーラス王朝の王専用モーターヘッドシリーズの第3世代機「エンゲージ SR3」の別名であるってことになった。

んで、今回作ったモーターヘッドが、そのエンゲージの第1世代機「エンゲージ SR1」です。

ファイブスター物語はマイナーな漫画なので、大量生産向きのプラモデル(インジェクションキット)はあまり発売されてないけど、ボークスという会社が「IMS」というブランド名で、モーターヘッドのプラモデルを精力的に発売している。

切り取ってパチパチはめこめばできちゃうガンプラのようなものではなく、接着剤は当然として合わせ目のズレを直したり塗装したりと「プラモデルってこういうもんだろ」とかお年寄りに言われちゃう感じの商品。敷居が高いし、お値段も高い。

試しに、主役級のL.E.D.ミラージュを作ってみたら、ガンプラしか作ったことがない軟弱者にもまあ「それなりに」作ることができたんで、調子に乗ってバッシュナイトオブゴールドと立て続けに作った。他にも何種類か出てるけど大好きなモーターヘッドは作れたからいったん終わり。また軟弱なガンプラライフに復帰したのも束の間、これまた大好きだったジュノーンの先代機エンゲージ SR1がIMSで発売。軟弱者にはハードル高いんだよなぁとブツブツ文句言いつつ、ネットでポチっとな。届いたはいいけど、やっぱりハードル高くて、箱を開けてはため息をついてまた今度にしようと箱を閉じての繰り返し。ようやく、年末の休みを利用して作ったよ。

パチパチ切り出してガシガシ組み立てればOKなガンプラと違ってやることが多い。

できるだけ手間をかけずに、でもそれなりには仕上げたい。簡単それなりのポイントになるのは全塗装するかしないか、だ。エンゲージSR1はほんの少し緑がかった白がメインカラーで、紫がところどころアクセントになっている。パーツの成形色はほぼその通りになっているから、色が合ってない部分だけ塗装する部分塗装ならかなり楽になる。しかし、生まれて初めての全塗装に挑戦したザ・ナイト・オブ・ゴールドが思った以上にうまくいったので、こいつもベースになっている白を成形色の薄い緑がかった白ではなく、純白にしてもカッコ良さそうだなあ、どうしようかなあ、また今度考えようって箱を閉じての繰り返しだったけど、年末休みといっても年末の誰もいないうちにやっておきたい仕事も山積みでそんなに時間があるわけでもないから、成形色を活かした部分塗装で組み立てることに決定。ここは初心に返って部分塗装、しかも筆塗りで部分塗装だ!

次のポイントになるのは仮組するかしないか、だ。とりあえず頭部と脚部の一部分を仮組みしたら、さすがにIMSの最新作とあってパーツの精度はかなり良くて、こりゃ仮組みしなくても大丈夫なんじゃないかって気がしてきた。細かいことは気にならないので仮組みせずにそのまま組み立て開始することに決定。

方針が決まればあとは手を動かすだけ。しかも仮組みなし、部分塗装となれば、かなり気が楽だ。部品をニッパーで切り出して、部分塗装に邪魔にならないパーツは接着してかたまりを作っていく。ある程度のかたまりにができたら表面に残っている油分(離型剤)を中性洗剤と歯ブラシでガシガシ洗い落としていく。洗ったらみんな大好き山善の食器乾燥機でしっかり乾燥。洗浄と乾燥というガンプラにはない作業が面倒臭いけど、まあしょうがない。

洗浄・乾燥が終わったらいよいよ部分塗装。組み立て説明書には設定通りの色を作るためのカラーレシピが載ってるけど、調色ってうまくいく気がしないので水性ホビーカラーで近い色を探してそれで塗る。ほとんど手持ちの色で済んだけど「ホワイトグリーン」と「焼鉄色」を買い足した。

ベイル(盾)と、スカートの内側がそこそこ広い面積だったんで、筆塗り塗装にちょっと難儀したけどまあなんとかなった。部分塗装だからはみ出しても、はみ出した部分が塗装してない部分ならデザインナイフの刃を使ってはみ出した部分をカリカリっと削ってやればOK。部分塗装最強。

ベイルと肩にある丸印に横棒3つのマークは黄色と黒の塗装が接しているからはみ出したらナイフで削るってことができない。ここは面相筆を使って息を止めて慎重に慎重に。ちょっとはみ出してるけどこれくらいは老眼なんでわからんわからん。老眼最強。

後ろ姿も凛として美しい。

白い部分にはグレーの墨入れ、濃い色の部分には黒で墨入れ。以前はGSIクレオスの「ガンダムマーカー スミいれ/極細タイプ」っていう極細油性マジックペンみたいなのを愛用してたけど、最近はタミヤの「スミ入れ塗料」っていうエナメル塗料がお気に入り。

デカールを貼ったら最後に光沢スプレーをブシャーで終わりの予定だったんだけど、なんとなくちょっと派手さとか華やかさが足りないかなと思ってたところに、ちょうどGSIクレオスの水性ホビーカラーから「ホワイトパール」というパール塗料が発売になってた。これをプラモに吹き付ければキラキラしたパール感のある表面にできるらしいので、さっそく使ってみた。

ラベルに「エアブラシ用」って書いてある。ナイトオブゴールドのときに簡単吹付け道具として買った「イージーペインター」がここで再登場。塗料1にうすめ液0.5くらいの比率で軽く希釈したら専用プラボトルに入れてエアダスターにセット。

ブシューっと吹きつけて、山善の食器乾燥機で乾燥を2回繰り返したらうっすらパール感のある表面に仕上がった。すごい簡単。簡単なのに今までのモーターヘッドのプラモデルよりワンランク上の仕上がりになった(ような気がする)。

パール塗料が乾燥したら最後に水性トップコートの光沢をこれも2回吹きつけて完成。よーく乾かせばカチカチのピカピカキラキラ。

モーターヘッドといえばこの細ーいスキマからチラ見えしする三白眼。かっこいい。