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詰んだ

動物実験に反対する団体から書面が届いた。近々、動物実験をしていない化粧品メーカーをリスト化した書籍を出版するから、うちの会社の化粧品に関して、2022年1月1日以降における動物実験の実施状況をアンケートに回答してください。という内容。10年前ならいざ知らず、いまどき動物実験に関与してる化粧品なんて日本に存在してるのか?2022年以降動物実験に関与してない化粧品メーカー一覧表って、それはただの日本の化粧品メーカー一覧表と同じにしかならんと思うんだけどな。

ちょっと待て

いや、いや、そもそも、ウチはIT事業と音楽教室やってる会社でして、化粧品の製造も輸入も販売もしてないしそのための業許可すら持ってないんだから、なにを回答しろっちゅうのさ。ま、このての無差別送付アンケートはあちこちから届く。これも関係ないから無視して資源回収へ出そうと思って古紙回収ボックスに放り込もうと思ったとき、長いお手紙の最後にチラッと「なお、ご回答のない場合も「回答のないメーカー」として書籍やウェブサイト及びSNS等に掲載させていただきますことをご了承ください」って書いてある。

ヲイヲイヲイヲイヲイヲイヲイヲイヲイヲイ!!

この動物実験反対の団体さんは、ウチの会社がITとピアノ教室の会社だってこと知らずにこのアンケート送ってきたんだよな。とすると、これに回答しなかったら、ウチが化粧品作っても売ってもいない会社ってこと知らないまま「久光工房は動物実験に関する質問に回答しなかった不誠実なメーカー」ってレッテル貼って書籍やウェブサイトやSNSを使って世間の晒し者にするってこと?化粧品売ってないのに?

なにそれ、怖いよぉ

無差別爆弾アンケートを送りつけておいてそれはひどいんじゃないの? しょうがない、回答だけでもしとくか。たいていこういうアンケートは第1問に「貴社は化粧品の製造・輸入・販売のいずれかを業として行なっていますか?」みたいのがあって「いいえ」を選択すると「ご回答ありがとうございました。」でアンケート終了ってのが常だからチャチャっと終わらせよう。書面にあるgoogleフォームのURLを入力。

っていきなり「回答する」「回答しない」の2択からスタートかよ。回答するからURL開いたのに何めんどくさい質問してんだ?

ま、回答するよ。めんどくさいけど。ポチっ

そしたらあなたビックリよ。いきなり消費者用窓口の住所と電話を書けときたよ。もう初っ端から化粧品メーカーだと決め打ちされてる。しかも入力必須項目になってるから書かないと次の回答ページへ進めない。うちの会社は化粧品メーカーどころか消費者相手の物販業ですらないんで消費者問い合わせ窓口なんてないよ。ダメだ、回答不可能だ。[戻る]ボタンを押して「回答する」「回答しない」の2択に戻る。でもここで「回答しない」を選んだら結局「動物実験に関する質問への回答を拒否した不誠実なメーカー」ってレッテル貼られて世間の晒し者にされるんだよな。

ダメだ。詰んだ。

無視したら勘違いされたまま「回答拒否メーカー」ってレッテル貼られ、回答しようにも回答拒否しか選択肢がないからやっぱり「回答拒否メーカー」ってレッテル貼られる。なんだこのはめ殺しアンケートは。

消費者相談窓口の住所と電話に「なし」って書いて次に進めば「化粧品メーカーですか?」って質問がくるのかなぁ。しかしそりゃ常識的にはありえない質問順番だよな。もしかして最初に「回答しない」を選べば次に理由を選べるようになってるのかな。でも「回答しない」という選択をしたあとで回答を求めるアンケートってそれも常識的にはあり得ないよな。

このアンケートフォームを設計した人の「私の質問に回答しないやつは無条件に晒し者にしてやる」って気合いだけが伝わってくる。怖いよぉ。

この団体さんに電話して確認してみるか。いや、それはオレオレ詐欺のお手紙にビビって詐欺集団に電話しちゃうようなもんなんじゃないのか。ヤバげ? うん、こういうのはいつも通り無視してゴミ箱ポイでOKだろ。

とはいえせっかく回答しようとURL開いたんだし、どう転んでも晒し者にされるんなら、最後に怖いもの見たさで「回答しない」をクリックしてみた。

貴社名、貴社名(フリガナ)、担当者氏名、連絡先・・・・・おいおいおい、こういうのは最初に聞けよ。「回答しない」を選択したらずらずらずらっと回答欄が並ぶページになるって何考えたらこうなるんだ?んでズラズラズラズラ・・・・といろいろ回答欄があって最後の最後に回答不可の理由を書いてくださいだって。フンガーっ!!!!なんか不愉快極まりないアンケートだったわ。

回答しなきゃ晒し者にしてやるぜって感じのアンケートやるんなら、せめて化粧品製造販売業もしくは化粧品製造業許可を有するかどうかくらいは調べてから送るくらいのことはしてほしいもんだ。はぁぁぁぁぁぁぁぁ、無差別送付アンケートって迷惑だし、回答しなかったらどんなひどい目に遭うかわかってんだろうな、みたいな脅迫じみたアンケートって苦手だなあ。こっちは消費者じゃなくて企業体だから消費者庁に相談って話でもないだろうし。

あああ、無駄に疲れた。

夜たっぷり乾きにくい

コンビニで、まさにこの写真の方向から見て「?????」ってなった。

正面から見ればなんてことはない

液たっぷり、でした。

しかし、これ「さんずい」が横に出過ぎだよね。液の字が他の字と比べて不自然なほど横長にデザインされてるのが原因で、コンビニの棚にぶら下がってた状況を強調するとこうなる↓

夜だよ、夜。夜にしか見えないよね。夜たっぷり乾きにくい!って寝汗か?とか一瞬あたまが混乱したよ。これはあれか、見間違いで二度見させて、少しでも棚の中で目立とうという高度な戦術なのか!?

実際、マンダム/ギャツビー派の私が不覚にもこんなことをブログに書くためだけに花王/ビオレの大容量28枚入りを買ってしまったわけだし。ギャツビー顔用も体用もまだいっぱいあるのに。まんまと花王の術中にはまってしまったのか、わたしは。すまんギャツビーたち。

CAS No.じゃなくてCAS RN®、そして有料よ

化学物質を分類整理するのに世界的によく使われているのがCAS RN®。Chemical Abstracts Service の頭文字。アメリカの化学者の学会「米国化学会」が論文や雑誌などの化学関連文献を調べやすくするために作り始めた番号。作り始めたのは1907年というからもう100年以上の歴史がある。いまでは「化学物質」と聞けば「CAS番号は?」とそこらじゅうで使われている。

一般的には「CAS No.」とか「CAS番号」とか言われてるけど、化学情報協会によると、これらは間違いで、正式表記は

  • CAS Registry Number™
  • CAS RN®
  • CAS 登録番号 (CAS RN®)

の3種類だそうです。®が付いていることからわかるとおり CAS RN は登録商標です。商標は大事ですね。とくに登録商標ともなると相当その呼び名に誇りがあるんでしょうからテキトーな呼び方をしては失礼ですね。気をつけましょう。

さて、同じく化学情報協会の資料によると、現在は 1.5秒に 1つのペースで CAS RN® が登録されているとのこと。すげー数。ここまでくるとそんな大量の申請をさばくのも、登録されているCAS RN®の重複整理や管理も、かなりお金のかかる仕事になってるらしい。

んなもんで、2017年から『CAS登録番号(CAS RN®)ライセンスプログラム』っちゅうのが始まってる。これ、平たく言うと『CAS有料化』です。CAS RN® を使うならライセンスプログラムに参加してライセンス料を払ってからねってことです。

をををををををををえをを??????!!!!!!!!

『SDS や医薬品添付文書、グリーン購入に関する文書中でのみ CAS RN® を掲載』する場合および『外部公開されておらず社内での使用に限られている』場合を除き『Webや紙媒体、データベースなどで CAS RN® を提供している場合は、ライセンスプログラムへの参加が必要』です。たとえば、カタログやWebサイトで CAS RN® を記載するならライセンスプログラムに参加してライセンス料を払う必要があるんですよ。

あ、そこのあなた、いま「え、やべぇ」と思うと同時に脳みその内側の大脳辺縁系あたりでフツフツと沸いてる何かが湧いて出てきましたか?初めて気づいた時はわたしは軽く沸いたものが湧いて出てきましたね。まあ、沸いたところでなにがどうなるわけじゃないし、単なる数字の羅列とはいえ、あんな膨大な数の情報を管理するには相当な労力を必要とするだろうことは容易に想像つくし、Cosmetic-Info.jpは CAS RN® を提供してますんでね、CAS RN® を管理している方々の日頃からのたゆまぬ努力に敬意を表しておとなしくライセンスプログラムに参加して毎年ン十万円お支払いしてますよ。

でもさ、化粧品の成分情報に CAS RN® って必要? もうさ「化学物質っぽいからCASね」とか条件反射みたいな仕事やめない? あれ、なくても困らないでしょ? だってさ、CAS RN® は光学異性体とか分子量とかちょっとした違いにも別々の番号を振って管理してるけど化粧品成分だと区別せずざっくりと名前つけてるから書いてある CAS RN® が本当にその成分の構造を正しく表してるのかどうかなんて調べようがないものも多いし、だからなんとなく番号が合ってれば異性体だの分子量だの細かいことまでは気にしてないでしょ? しかも化粧品成分って天然物もあるからそもそも CAS RN® の登録対象外の成分だってある。それに重複が見つかったりしていつの間にか抹消されてる CAS RN® もあるし。そういう「たぶん合ってる」程度でOKだったり、CAS RN® がない成分があってもOKだったり、古い CAS RN® が使われててもOKだったり、そんなんで仕事がちゃんと回ってるんだから、その程度の情報なら全部なくていいじゃんよ、とか思わない? 表示名称の成分番号とかINCIのMonograph IDの方がよっぽど現実に沿った整理番号だと思う。

ねえ、誰か業界の世界的にエライ人がさ「CAS RN® があるかないかは化粧品の成分であるか否かとは無関係だし、どうせだいたい合ってりゃいい程度の情報でしかないんだから、もう化粧品の成分情報に CAS RN® はいらないよ。CAS RN® を書けとか言う奴がいても無視してオーケー」とか言ってくんないかな。CAS RN® なんて書類受け取った人が「チェックした実感が得られる、仕事した気分になれる」程度の意味しかないんじゃない?

あ、いや、ライセンスプログラムの費用が高いなあとかいう個人的な不満が理由じゃないですよ、決して、ええ、決してそんなことは、わたしは業界の健全な将来のアレをアレしてアレだから・・・・ていうか高いよ!高い! ガンプラ何個買えると思ってんだ。ガンプラ作るヒマないけど。ああ、ガンプラ作りてえぇぇぇぇぇ。化粧品業界から CAS RN® が消えたらガンプラ作る時間がとれるかなぁ、とれねえだろうなぁ。じゃあ CAS RN® あってもいいや。うん、前言撤回 CAS RN® 万歳。