「RXガンダム博物館」カテゴリーアーカイブ

MG RX-78GP02A ガンダム試作2号機 [サイサリス]

RX-78GP02A
GUNDAM GP02A (PHYSALIS)
U.N.T.SPACY PROTOTYPE TACTICAL MOBILE SUIT

一年戦争(ジオン独立戦争)が終戦して3年。ジオン残党兵の一部がまだ地球・宇宙の各地で徹底抗戦を続けていた。ジオン残党との戦闘が続いていることもあり、地球連邦軍は終戦後も新型モビルスーツの開発を継続していた。

宇宙世紀0083年、アナハイムエレクトロニクス社は連邦軍からの要請に応じて大戦中のエースパイロット機である「ガンダム」の名を冠した試作モビルスーツ2機を開発し、テストのためオーストラリアのトリントン基地に納品した。

ところが、到着した試作モビルスーツの1機がジオン残党に強奪される事件が発生。試作モビルスーツを基地に搬入するために駐留していた強襲揚陸艦アルビオンは、事件で生き残った基地所属の新米テストパイロット2名に新たにベテランパイロット3名を加え、強奪されたガンダム試作2号機の奪還作戦の任につくことになった。これがオリジナルビデオ「機動戦士ガンダム 0083」の冒頭。

今回紹介するのは0083の冒頭で強奪されたモビルスーツの方。大きな大きなシールドと、両肩に被さるこれまた大きな大きな推進器が特徴の重モビルスーツ。

シールドの裏にバズーカ砲の前部が取り付けられている。

右肩の裏に取り付けられているバズーカ砲の後部と連結することで大型バズーカ砲になる。これは核弾頭を発射することを想定していて、肩の巨大な推進器は核発射後に爆心地からできるだけ距離をとるためで、巨大なシールドのような装置は核爆発から機体を守るためのもので熱線から防御するための巨大な冷却システムでもある。

1998年に発売されたプラモデル。25年以上も前のプラモデルなので現在の変態技術に比べるといろいろと作りが粗いし、私自身も墨入れ?トップコート?ってな具合だったもんだから、今どきのガンプラと比べるとちょっと厳しい。

それにしてもコロナ禍以降から続くガンプラが買えない状況はもはや異常だ。新商品だけでなく古い商品の再販売ですら予約開始から数分で完売。抽選販売のショップに申し込んでもなかなか当選しない。キャンセル待ちに申し込んでも手に入らない。先日も10年近く前に発売にされたけど買いそびれてた昔のガンプラが久しぶりに再生産が決まった。しかし予約できず、抽選に外れ、キャンセル待ちも回ってこず、また何年後になるかわからない再生産を待たないといけない状況に・・・たぶんそのころには老いが進んでプラモデルが作れるかどうか。

そんな状況を尻目に中国プラモデルメーカーの技術向上がめざましい。ガンプラの設計技術をとことん勉強して、いまのバンダイがガンダム試作2号機を作るならこれくらいのことはやるだろうなという技術はきっちり網羅してる。その上で、なるほどそういう設計もいいねと感心してしまう気合の入った部分もチラホラ。そして買える。とにかくガンプラ買いたくても転売屋にかすめ取られて買えず、定価の倍以上でAmazonやメルカリに出品されてるのを指をくわえて見ているしかないこの状況をなんとかしてほしいものだ。

MG RX-78-3 G-3ガンダム [ver. 3.0]

RX-78-3
G-3 GUNDAM
E.F.S.F. PROTOTYPE CLOSE-COMBAT MOBILE SUIT

久しぶりにガンダムのガンプラを作った。ガンプラはガンダムのプラモデルなんだからガンダムじゃないガンプラってのもおかしな感じもしないでもないけどそんなこともない。

ということでG-3ガンダム。

機動戦士ガンダムの主役ロボット「ガンダム」。TVとはストーリーが大きく異なる小説版では、物語の終盤でガンダムが撃破され、マグネットコーティングという高性能化改修された同型機が配備される。これがG-3ガンダム。その後、いろいろ設定の変遷があって、いまではTV版でも終盤に登場していたのは第3仕様のガンダムだったとかそんな感じになってる。

精巧な内部フレームを核として、ベストプロポーションと自由自在な可動ギミックを追求。止まらないガンプラの進化を体現するブランド「マスターグレード」では、何年かおきにそのときどきの技術や流行を取り入れた「ガンダム」が発売されてきた。

これは 2013年に発売された「ver.3.0」の色替えモデルで、2024年にガンダムベース限定商品として発売されたもの。

お台場に作られた実物大ガンダムの1/100モデルという位置付けの Ver.3.0。同色系での部品によって少しずつ色味が違う外装や、小さなモールドが多数配置されているのが特徴。

ver.2.0 ゆずりの変態可動域も健在。太ももを高く上げてヒザを深く曲げた片膝立ちもできるし、指は全ての関節が動くエモーションマニュピレーター(関節が抜けやすく、いちど抜けると抜けグセがついて最悪)。肩はグイッと内側へ入れ込んで腕を真上に上げられる。

地味な配色が実在風デザインと相まってかっこよさマシマシ。

これだけカッコいいガンダムが組み立てて墨入れして艶消しスプレーをプシューすれば完成する脅威のバンダイ。ここ2、3年はガンプラが転売商材化していて、欲しいものがなかなか買えない状態が続いているのが非常に残念。

さて、RX-78 ガンダムの初期型(プロトタイプガンダム、ガンダム、G-3ガンダム)揃い踏み。

左からRX-78-1, RX-78-2, RX-78-3

TV版のデザインラインに最も近い Ver.2.0ベースのプロトタイプガンダム、「かっこいい」デザインのVer.O.Y.W. のガンダム、実在感をベースにした Ver.3.0ベースの G-3ガンダム。ver. の異なるガンプラをガンダムの仕様変化っぽく見せるいい並び順だと我ながらニンマリ。

MG RX-121-1 ガンダムTR-1 [ヘイズル改]

RX-121-1
GUNDAM TR-1 [HAZEL CUSTOM]
TITANS PROTOTYPE MOBILE SUIT

宇宙世紀0087、地球連邦軍内部の「ティータンズ」と「エウーゴ」という二大派閥による権力闘争が武力衝突に発展した話が「機動戦士Zガンダム」。

国家間の戦争を描いた機動戦士ガンダムと比べて、Zガンダムは地球連邦軍内部で起きた内ゲバだからスケールが小せえ小せえ。

さて、今回紹介するのは、物語の設定的にはZガンダムを挟んだ前後の時代を扱った物語「ADVANCE OF Ζ ティターンズの旗のもとに」(略称:A.O.Z)に登場するモビルスーツ「ヘイズル改」。英語表記の「HAZEL」はたぶん植物の名前で、日本語では一般的には「ヘーゼル」と発音する。ヘーゼルナッツのヘーゼルね。カッコつけてヘイズルって発音してるけど。

A.O.Zは、2002年ごろに始まった模型雑誌ホビージャパンによる模型作例と小説の連動企画。Zガンダムの外伝といった位置付け。ティターンズの新型モビルスーツ開発テストチームに配属された若いテストパイロットを主人公に・・・・読んだことないのでこれ以上のことは知らない。

ヘイズルは、物語の上で同時期に開発されていたことになるガンダムMk-II との関係性を強く意識したデザインになっている。プラモデルも骨組み(フレーム)にはMG ガンダムMk-II のパーツが多数使用されている。

特徴は全体的にゴロっとしたボリューム感とほぼ平面だけで構成される外観。

ガンダムの多くはスネやふくらはぎに曲面が多用されてるけど、ヘイズルはほぼ平面で構成されている。そして四角い穴あきの巨大なヒザパッド、四角い穴あきの巨大なふくらはぎ、ベタッと大ぶりなスリッパ、これらがゴロっとした感じを醸し出している。

上半身も、ぱっと見はガンダムMk-IIっぽさが色濃いようにみえてその実、突き出した股間、突き出した胸部中央、巨大な箱状の襟、出っ張ったおでこ、カクカクしたトサカと、要所要所に平面で構成されたゴロっとした特徴的なデザインをみせている。

背負ってるのは「シールドブースター」。推進器が搭載されている盾・・・・推進器ってことは推進燃料も搭載してるんだよな、きっと。燃料をたんまり積んだブースターを盾としても使うというのは・・・ガンダム世界ではギャンの「ミサイルシールド」っちゅうもんがあるので問題ない。背中のランドセルに取り付けてもよし、腕に取り付けてもよし。

Zガンダムの外伝的作品「A.O.Z」に登場する「RX-121-1 ガンダムTR-1 ヘイズル改」。A.O.Zは模型雑誌ホビージャパンが主導した企画で、このガンダムTR-1をベースにさまざまなバリエーション作例が模型雑誌を賑わせた。軟弱者の私は「すげーなぁ、おれもヒマがあったらこんなの作ってみてぇなぁ」と思って雑誌を眺めるだけだったのが、それから20年が経ち、いよいよバンダイからガンプラとして登場。

さすがガンプラ。ニッパーでパチパチ切り出して、説明書通りに組み立てていけばできあがり。あとは墨入れして、デカール貼って、最後に魔法のスプレー「水性つや消しトップコート」をブシューと吹きつければ完成。

おそるべしガンプラ。


RX ガンダム博物館:地球連邦軍試作モビルスーツ(型式番号がRX-で始まるモビルスーツ)の中でガンダムの名を拝している機体の1/100スケールガンプラを作るよ。