RGM-79N
GM CUSTOM
E.F.S.F. MASS PRODUCTIVE HI SPECMOBILE SUIT
「機動戦士ガンダム0083 – Stardust Memory-」に登場したジムのバリエーション機。物語上の歴史では、アムロとシャアが戦った一年戦争が終わった年に施行された「連邦軍再建計画」で開発されたジム。
0083では主人公の脇を固めるメンバーがこれに乗って大活躍。主人公の上官 サウス・バニング大尉はシーマ・ガラハウ中佐のゲルググと手に汗握る戦闘を繰り広げて主人公を守りきったが、母艦への帰還途中に・・・ああぁ、バニング大尉ぃぃぃぃぃぃ・・・・!!
ガンダムやジムのお約束っぽい配色と異なり、ほぼ水色単色という機体。なんとなく地味な感じがするけど、設定上はガンダム並みの性能らしい。
ちなみに1999年に発売されたプラモデル。もう25年近くも昔なのでマスターグレードとはいえ、今のマスターグレードの基準で見るとだいぶ古ーい。
バーニアがグレーの整形色なので、ガンダムマーカーとかでちょちょっと赤とか黒とかを塗ってあげるだけで見栄えがグッと良くなる。なにしろ全体的に水色一色なのでワンポイントの赤と黒がなかったらほんとに寂しい。
なお、中身がスッカスカなので、ヒザ、ヒジ、肩の隙間からチラ見えする内部が貧弱だから、飾っておくときはそういうのが目立たないように。肩の装甲の裏側は思い切って真っ黒に塗った方がよかったかも。
ところで、古いプラモデルではあるんだけど、いい部分もある。それが「ガワラ曲げ」ができること。ガワラというのは、ガンダムのメカデザインを担当した大河原邦男(おおがわらくにお)の名前。下の写真の左腕を見てほしい。
上腕と前腕のつながり方が、ガワラ曲げの状態。大河原邦男の書くロボットには、たいていヒジの関節の「軸」がデザインされているんだけど、その回転軸と違う方向に曲がるのがガワラ曲げ。
このザクで言うと、左のザクはヒジの関節軸にそって軽く肘を曲げている。これは何の問題もないしプラモデルでも普通にできる。一方、右のザクは関節軸と90度ズレた方向に軽くヒジを曲げている。大河原邦男先生が書くロボットのヒジはときどきこういう自由な曲がり方をする。これがいわゆる「ガワラ曲げ」。
ほとんどの場合、どうでもいいっちゃいいんだけど、そうもいかない状況がたまにある。下の絵を見てくれ。ジム・カスタムの設定画でヒジのちょい下の前腕部分にシールドを取り付けるための穴が開いているのがわかるだろ。
ここにシールドを取り付けて、肘を曲げると、シールドは下になってしまう。シャベルでなにかを掘ってる感じなシールドの取り付けにならざるを得ない。
↓シールドを取り付けてヒジを軽く曲げると、こんな感じでシールドの面が下を向いてしまう。
体の側面を防御するようにシールドを横にするなら腕全体を90度回さないといけない。しかし、そうするとヒジの回転軸も90度回るので、ヒジをピンと伸ばさないとシールドが横にこない。ヒジを曲げるとシールドが前にきてしまう。
これは、ちょっとカッコ悪い。
左がガワラ曲げができないプラモデル。右がガワラ曲げができるプラモデル。自然な感じで体の側面にシールドを構えようとすると、この方向から見るとどちらも違和感ないんだけど、反対側から見ると違いがよくわかる。
ガワラ曲げができない左のプラモデルは、腕をまっすぐ伸ばして、シールドを取り付け口でちょっと回転させてポーズをとっている。一方、右のジム・カスタムはシールドと前腕の方向がそろったまま軽くヒジを曲げてグッと構えたポーズをとっている。とても自然な感じがする。ロボットなんだから左の方がロボットらしくてロボットっぽいんじゃないの?ロボットなんだしと言えなくもないけど、ロボットとはいえども、これはモビルスーツなんだから、ちょっとね、ロボット、ロボットしているよりは人間的なポーズをとらせたくなるのが人情ってもんでしょう。
この前腕のひねりは、ヒジ関節と前腕の間にロール軸がひとつ入っていることで実現できてる。ヒジ関節がどう曲がろうが、その先で前腕が回転できる。
ちなみに、ガワラ曲げができないプラモデルでは下のようにシールド取り付け穴を90度ズラすパーツが付属しているものもある。
ないよりは断然あった方がいいんだけど、これではきっちり90度ズラすことしかできない。「ひねり」ができるプラモに比べたら飾る時のポージングの自由度は低い。
けっこう初期のマスターグレードでこれができた当時はスゲー!!!!って感動したもんなんだが、なぜか最近のマスターグレードシリーズではガワラ曲げヒジ関節が採用されなくなってる。シールド取り付け位置を90度ズラすパーツで済ませているものが多い。なんでなのかわかんないけど。