東京ゴッドファーザーズ

 クリスマスには「奇跡」がよく似合う。クリスマスを舞台にした映画ならちょっとデキ過ぎな話でもなんか許せちゃう。「東京ゴッドファーザーズ」はそんな映画。

 ホームレス2人に家出少女1人。その日暮らしの3バカトリオがある日、捨て子の赤ちゃんを見つけてしまう。東京の街を舞台に3バカトリオが赤ちゃんの親探しを始める抱腹絶倒の珍道中。わらしべ長者のような都合良すぎる展開も雪の降るクリスマスの夜となれば不思議と許せてしまう。そんな赤ちゃんの親探しの中で3バカトリオそれぞれの人生もしだいに明かされていく。それぞれがホームレスになるまでの事情、家族との再会、別れ。最後にはクリスマスの奇跡よ、ありがとうと思える。クリスマスにはピッタリの心温まる珍道中。2010年に46歳の若さで亡くなった今敏監督の作品。2003年公開。制作費は相当安かったらしいけど、これだけのものが作れるんだと感心させられる。