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高分子ポリマー

 原発から漏れ続けている水を止めるために穴に『高分子ポリマー』を注入するって・・・・・高分子ポリマー・・・・・高分子ポリマー・・・・・ちょっと待て、低分子化合物が多数連結した高分子化合物をポリマーって言うんだよ。ポリマーはもともと高分子なんだよ(集合記号で書くと[高分子⊃ポリマー])。

 「高分子ポリマー」という表現で「高分子」は修飾語だ。係り受けをわかりやすく表現すると「高分子なポリマー」だ。でも「低分子なポリマー」なんてのはそもそも存在しない(好意的に考えてもオリゴマーだ)。ポリマーはもとより高分子なんだから「高分子ポリマー」ってのは無駄に修飾語がついているだけで何の説明にもなってない。つまり「高分子」っていう修飾語を付けたところで「ポリマー」からいっこうに詳しくはなってない。

 まがりなりにも大学で高分子合成を専門にしてたからこの状況で使う高分子っていえば何なのかくらいある程度は想像できるけど一般には「大量の水を吸収してゼリー状に膨らむ高分子化合物」とか「おむつなどにも使われている超高吸水性ポリマー」とか言わないととダメなんじゃないのか。「高分子ポリマー」と言っても♪川沿いリバーサイド〜(by 井上陽水)状態。何食べたい?って聞かれて「和風な和食」って答えてるようなもん。「一番最後」「悪い悪党」「高層タワーマンション」「ウマい吉牛」。え?吉牛=ウマいから。まあこのクソ忙しい時に、と思わないわけではないけど、でも高分子ポリマーって言ってもね、何の説明になってないと思うぞ。>偉い人&NHK

[追加]

 NHKニュースでキャスターが「高分子ポリマーとは何なのか。こちらに同じモノを用意しました」と言って画面には『高分子ポリマーとは』という字幕。キャスターが高吸水性高分子が入ったビーカーに水を入れると高分子が即座に水を吸収してゼリー状に膨れ上がりビーカーを逆さまにしても落ちてこないようになった。しかし「高分子」「ポリマー」ってそれだけじゃなくてストッキングのナイロン-66もソフトコンタクトのポリHEMAもペットボトルのポリエチレンテレフタレートもビニール袋のポリエチレンも食物繊維のセルロースもガンプラのポリスチレンもキャンディiMacのポリカーボネートもみーんなみーんな高分子だしポリマーだ。高吸水性高分子だけが高分子ポリマーなわけじゃない。これは『和食とは』と言って『お蕎麦』を詳細に説明されている感じと言ったらわかってもらえるだろうか。そりゃ蕎麦も和食だとは思うけど・・・・っていう驚異的な違和感。

夜はもっと明るくてもいいんじゃないか?

 電力不足の影響で近所の居酒屋もコンビニも商店街のアーケードも明かりを消して街が暗い。看板の明かりが消えた暗い街だとちょっと一杯飲んで帰るって感じになれない。テレビや新聞では首都圏の飲食店は大打撃を受けてるという。これで失業が増えたらわやだ。みんなでお金を稼いでお金を使って経済活動を続けないと助けられるものも助けられなくなる。

 ふと思ったんだけど夜間の電力には余裕があるよね。Yahoo!のトップページにある電力消費状況のグラフを見ると夜はかなり余っている。だけど商店街は暗くてしんみりしている。アニメに出てきそうな超巨大蓄電池があるわけじゃないから余った電気は使われないまま消えてしまうんだよね。これ、すげーもったいないんじゃないか? 無駄に電気を使えなんて言わないけど、余った電気は貯めておけないんだから停電しないギリギリまで使える電気はきっちり使って経済活動をするのが理想的なのだと思う。少なくとも夜の商店街を見ていると過度な節電をして暗い雰囲気を作ってしまい必要以上に経済を萎縮させている気がする。だからといってみんなが夜間電力を今まで通り使い始めたらやっぱり停電しちゃうのかなぁ。だったら電力不足を予測して「何時から何時まで○○地区で停電」という計画停電だけじゃなく、電力余剰を予測して「何時から何時まで○○地区は節電不要」みたいな電気を無駄に余らせない「計画節電」も実施したらいいじゃないだろか。

 業務時間を昼夜逆転させて夜間の余剰電力でバリバリ仕事して昼間は業務を停止することが可能な会社があるんじゃないかとか、「今夜の八王子は通電だから八王子で飲もうか」とか、そうやって限りある電力を効果的に使い切る工夫もしないと24時間節電、節電だけではこの長丁場はもたない気がする・・・・・なんてこと言ってられるのも冷房が必要になる7月までかもしれないけど。

計画停電対象外

 計画停電が実施されることが発表されて真っ先に考えたのはピアノ教室の照明。ピアノは電気使わないけど部屋が真っ暗じゃレッスンにならない。1週間くらいならレッスン休止もありだけどさすがに1ヶ月以上もレッスンしないのでは話にならない。でもラッキーなことに我が家には1年ほど前に買った電池式のLED楽譜照明がある。しかも先月には同じメーカーの高性能型も買ってあった。もちろん充電池はエネループ。それにUSBポートに差して使うキーボード用LEDライトもある。家の中をあさったら便利グッズがいろいろ出てきたのには我ながら苦笑。試しに教室の電気を消してこの3台をつけてみたら思ったより照度がとれた。しかも消費電力が小さいLEDだからレッスンの間ずっとつけっぱなしでも充電池は持つ。これなら計画停電が実施されても教室はなんとか維持できるわ。暗くて楽譜も先生の顔もよく見えないし、寒いと指の動きも鈍ってしまうだろうけどそれは我慢してもらうしかないか。

 ところがいつになっても停電しない。変だなと思って市のホームページを見たら我が家のエリアは計画停電対象外になってる。昨日気がついた。ありゃ停電しないのか。日頃からわけの分からんオモチャを買ってると思われてるお父ちゃんが面目躍如、お前らお父ちゃんの先見性と実力を思い知ったかの便利グッズたちが活躍する場はこないのか・・・・それはそれでそうなってみるとちょっと残念。

 とはいえ笑ってられないのは停電するかしないかが商売に大きく影響するからだ。ちょっと離れたピアノ教室じゃたびたび電気のない教室でレッスンしてるだろう。生徒に街灯の消えた暗い道を通わせることは(教室規約に事故免責を入れてあっても)万一のときの責任問題に影響するだろうから場合によっては送り迎え手段を手配する必要もあるかも。1回や2回ならまだしもこんなサービスレベルが低下した状況が長引けばそれに応じて月謝を下げるべきという声も出てくるだろう。計画停電は近隣の音楽教室の運営をかなり圧迫しているはずだ。偶然にも対象外になったウチの教室はもちろん日々節電に努めているがレッスン中の教室はいつもよりほんのちょっと暗いだけだし、寒いと運指が硬くなるから必要であればエアコンだってつけるし、生徒は街灯がついた明るい道をいつもどおり通うことができる。結果的に今までと変わらないレッスン環境を提供できている。東京電力と同じ契約をしているのにこの差は何だ?計画停電エリアの同業者からみれば納得いかないだろう。ではウチの教室も停電エリアに配慮して停電時間帯には教室の明かりやエアコンを消すのかと言えばそれはありえない。停電してないのに生徒に暗く寒い教室でレッスンを受けさせる道理はない。

 これは大きく見れば「都区部が計画停電の対象外なのは不公平か?」という議論と同じ。生活者という視点から見れば対象外の区域があっていいと思うし、首都機能維持というお題目も十分理解できる。我々が我慢するから首都圏の経済や行政機能は維持してくれという思いもある。しかし競合が存在する商売の経営という視点から見れば東京電力と同じ契約を結んでいるにも関わらず一部の競合社にだけ電力が供給され続けるというのはとうてい納得がいかないだろう。3月、4月は進級進学、引っ越しなどでどこのピアノ教室も生徒の出入りが多い。こんな時期に節電しつつも必要な電力は使える教室と、必要最小限の電力すら提供されない教室が、教室の住所だけで決まっている。停電くらいで生徒が離れていってしまうような低レベルなレッスンはしてないという思いもあるが、それでも立場が逆だったらと思うとゾッとする。

 同じ東京電力と契約しながら住所だけで経営基盤が崩れてしまう教室とそうでない教室が決まってしまう現状は確かに不公平だ。だから電車が止まろうが、行政機能が停止しようが、断水しようが、東京電力と契約している全ての契約者が等しく不利益を被る完全な輪番停電を実施すべきだという乱暴とも思える意見にも一理あると感じる(さすがに被災地も停電させるというのは気が引けるが、それでも被災地の周縁部では同じ不公平が生じるだろう)し、実際に完全輪番停電になれば素直に従うよ。何はともあれ教室の運営ひいては我が家の家計に大きな影響が出ていない現状に感謝。電気ありがとう。