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iPod touchでホントのGPS(2)

 さて、米国のショップに代理購入してもらったiPod touch用GPSユニット「XGPS300」です。箱の中に入っていたのは

  • GPSアダプタ本体
  • USBケーブル
  • シガレット電源ケーブル
  • 車載用マウンタ
  • 第2世代iPod touch用のゴム製スペーサー

 本体下部正面にスピーカーの音量調整ボタンと右下に小さなマイクの穴。背面には電源スイッチと充電状態確認用のボタンとインジケータ。重さは思っていたよりもずいぶん軽い。iPod touchと持ち比べると半分くらいに感じる。実際にiPod touchが115g、XGPS300が80gなので確かに軽い。

 電源スイッチは[GPS][OFF][Power]の3段階きりかえ。電源スイッチを[GPS]側にすると全ての機能がONになる。[Power]側にするとGPS機能だけがOFFになってバッテリがiPod touchの充電にまわる。電源スイッチを[OFF]にすると全機能がOFFになるので音すら出なくなる。普段は電源スイッチを[Power]側で使って、GPS機能を使いたくなった時に[GPS]側にすればいいようだ。

充電

 充電はUSBで行なう。iPod touchを取り付けたままで両方に充電されるのか、片方だけ充電されるのかよくわからない。両方のバッテリを消費した状態から充電してみればわかるけど、今は急いでいる(メンドクサイ)ので別々に充電する。電源スイッチを[Power]にしておくとLEDの点灯数でどこまで充電できているか確認できるが[OFF]だとLEDが光らない。LEDが光らないだけで充電はできているんじゃないかなぁという気がしないでもないけどよくわからない。これもバッテリを消費した状態で[OFF]側でUSBにつないで放置しておけば確認できるけど、今は急いでいる(メンドクサイ)からそのうち思いついた時に試してみるよ。とりあえずもう夜遅いので寝る。

準備

 翌朝、充電も完了したので初代iPod touchをアダプタにセット。ピッタリサイズに作ってあってゴム製の滑り止めも付いているから差し込むのも取り外すのにも少し力とコツが必要かな。第2世代iPod touchは背面が少し湾曲しているので、すっぽ抜け防止用に付属のゴム製スペーサーを付けるらしい。私は初代iPod touchなので関係なし。

 取り付け終わってXGPS300の電源スイッチを[GPS]側にしてiPod touchを起動すると「アプリケーションがインストールされていません。アプリをインストールしますか?」って画面がでる。ここで[はい]と答えるとApp Storeに接続する。本来ならここで無料の専用アプリ「NavAtlas」のダウンロード画面になるんだろうけど、ここは日本。日本のApp StoreにはNavAtlasは登録されていないようで、いつまでたっても何も表示されない。ということであきらめてApp Storeを終了。ちなみにNavAtlasをインストールしない限りXGPS300の電源を入れるたびにこれを聞いてくる。でもダウンロードできないもんはしょうがないのでここは構わず[いいえ]を押せばいい。ま、電源を入れるときだけだし、たいした手間じゃないし、儀式みたいなもんだと思えばいい。

追加情報:最近iTunesStoreを見たらNavAtlasがダウンロード可能になってた。でも間違ってもダウンロードしてはいけません。2GBもある極悪非道のファイルサイズで、しかも北米の地図だけです。日本にいる以上はまったく不必要なアプリです。

いよいよGPS

 さて、GPS機能を試すために外出をしなければならんのだが、なんと都合がいいことにこの日から家族旅行だった。さっそくXGPS300を取り付けたiPod touchをポケットに入れて出発。京浜急行の終点「三崎口」駅を降りてバスを待っているときに『スイッチ、オーーン!!!!』『地図アプリ起動っ!!!』。iPod touchに標準インストールされている地図アプリはつまるところ単なるgoogleマップなのでネットにつながった状態じゃないと地図が表示されないよ。ということで正確には『イーモバイルのPocket WiFi電源オーーン!!!』『XGPS300電源オーーン!!!』『iPod touch電源オーーン!!!』『地図アプリ起動っ!!!』ってことになる。こう書くとすげーメンドクサイ感じだけど、たいしたことないよ、ホント。え、ホントだってば、ホント。

 地図アプリの画面左下にある現在位置確認ボタンをタップするとしばし考えた後「現在位置を確認できません」。あれ?!ダメ?使えない? いや、焦るな。旅行の時に一緒に持ち歩いているソニーのGPSロガー「GPS-CS3」も電源入れてから衛星捕捉するするまで数分かかるからコイツもきっと衛星捕捉に時間がかかっているに違いない。1分おきくらいに地図アプリを起動して確かめてみるも何の反応もなし・・・・5分ほどして地図アプリを起動したとき

キターッ!!

 衛星捕捉まで数分かかってしまうのは他のGPSロガーと同じってことか。いったん衛星を捕捉できればあとはiPod touchがロックした後でも数秒から30秒くらいで現在位置を特定してくれる。たぶんXGPS300側で衛星捕捉を続けているんだろう。

 ホントのGPSで位置特定している時はマーカーが違うのね。GPS(みたいな)機能を使っているときはだいたいこの辺だよっていう青い円が表示されてたけど、ホントのGPSで位置特定するとドーナツ状の輪が中心点からポワーン、ポワーンって広がっていくアニメーションになる。移動にあわせてヌルヌルっと現在位置のマーカーが動くのも気持ちいい。位置のズレも数m程度。

 翌日は大阪で仕事があったのでここでも使ってみた。イーモバイルの電源を入れてiPod touchの地図アプリを起動すると瞬時に現在位置特定。え、早すぎない? あ、これはGPS(みたいな)機能による現在位置特定だった。やっぱりすばらしく高速だわGPS(みたいな)機能。それから3、4分するとホントのGPSに切り替わった。マーカーのデザインが切り替わるのですぐわかる。地下街に入ると再びGPS(みたいな)機能に切り替わって位置特定を継続してくれる。外に出るとまたホントのGPSになる。オモシロイ。

 さーて、人柱覚悟で買ったGPSユニットが最低限の働きをしてくれることはわかった。十分面白さを味わったわけなんだが、こうなるとGPSを活用したiPhone用のいろんなアプリを使ってみたくなる。あ、それからマイク機能があるから録音アプリも試してみたい。つづきは、また明日にでも。

iPod touchでホントのGPS(1)

 いくつか条件があるもののiPod touchも標準でGPS(みたいな)機能が使える。私は都内へ出かけるときなどで重宝している。しかし使えるのは一部の大都市圏だけで、地方出張やハイキングでは役に立たない。iPod touch用のGPSアダプタってないのかなあと思っていたら、米国のDual Electronicsという会社から「XGPS300」というiPod touch専用GPSアダプタが発売になった(http://www.gpscradle.dualav.com/cradle.html)。

XGPS300

 3月19日に発売されたばっかりの新製品。iPod touchの下側から背中側をすっぽり包むようなクレドール型。GPSアダプタにしては大きいな、と思ったらバッテリとスピーカーとマイクも内蔵している。バッテリはiPod touch本体への電源供給もするので全体の稼働時間が延びるらしい。そしてスピーカー&マイク内蔵もうれしい(なにしろ初代iPod touchにはスピーカーもマイクもついてない)。さらにUSB端子もついているのでクレドールを装着したままiTunesとの同期もOK。もちろんヘッドホン端子もあるからクレドールを装着したまま音楽も聴ける。これはヤバい、ヤバすぎる。物欲の炎がメラメラと・・・。

 ところでコイツは同社がiTunesStoreで無料配布している「NavAtlas」という専用アプリをダウンロードして右の絵のようにカーナビ風に使うという製品なんだが、内蔵地図は米国とカナダだけ。米国でしか販売していない商品なんだからそりゃそうだろうな。私は車持ってないしカッチョイイ俯瞰図や音声で道順教えてくれなくたっていいよ。私が知りたいのは専用アプリ以外、特に標準インストールされている地図アプリと連動できるかどうかだ。ネットでグルグルグルグルと調べ回るうちに同社の公式ブログにいろいろなアプリとの対応を調べたエントリを見つけた(http://gpsforipodtouch.blogspot.com/2009/11/apps-compatible-with-gps-cradle.html)。この記事を読むと、iPod touchがネットにつながっていればプリインストールの地図アプリもCompatibleだと書いてある。

よし!

 実際のところ使えるかどうかは買ってみないとわからない。が、そんな状況がまた新しもの好きにとってはたまらないエサだ。欲しい、たまらなく欲しい。試してみたい。初代iPod touchで本当のGPSを手に入れることができるのか。

決めた、買う!!

 とりあえず人柱覚悟で買うと決心したんだが、日本では売ってない。Dual社のホームページでは販売店として「米国アップルストア」しか紹介されていない。うーん、米国アップルストアは米国内にしか発送してくれないんだよな。日本にも発送してくれる米国のオンラインショップでXGPS300を扱っていているところを探したけど、ぜんぜん見つからない。しょうがないんで米国の珍しいMac用パーツ類を日本向けに販売しているショップに「日本に発送してくれるショップが見つからないので代理購入してくれないか」とメールで相談した。そしたら日本への送料込みで276ドルで引き受けてくれた。XGPS300が199.95ドルだからショップの取り分は76.05ドル。手間や送料を差っ引いたらショップの利益は数千円か? thank you very much.

 ショップから「航空便で送ったよ」って連絡が来たのが日本時間3月25日08:51(木)。成田空港には日本時間3月27日10:42(土)に到着。早い! しかし土日は通関がお休みなので月曜日まで成田空港でお預け状態(うーん残念)。3月29日12:59(月)に通関許可。3月31日(水)に無事到着。

 と、ここまで書けば、あとは届いた実物がどんなものかレポートせねばなるまい。レポートはまた明日。

iPod touchでGPS(終)

(iPod touchでホントのGPSを使う方法は→iPod touchでホントのGPS(1)

 iPod touchのマップアプリが周囲にある無線LANアクセスポイントのMACアドレスを利用して自分の位置を特定できる機能(GPSみたいな機能)がある。嗚呼、iPod touchが「電話できないiPhone」にどんどん近づいていく。

 iPhoneもこの「GPSみたいな機能」を積極的に利用しているらしい。GPSって複数の衛星の電波を捉えるまでに結構時間がかかる。skyhook wirelessがカバーしているエリアならそっちで位置特定する方が早いらしい。あとでGPSで補正するって感じなのかな。skyhook wireless社のCEOが「Two-thirds to three-quarters of the time, he says, when the iPhone locates・・・」(http://news.cnet.com/8301-19882_3-10281561-250.htmlの記事)とか言ってるので、iPhoneも3回に2回とか4回に3回くらいの割合でGPSみたいな機能で位置を特定しているらしい。

 「GPSみたいな機能」の利点は「位置特定が早い」「衛星の電波が届かないところでも使える」ってこと。横浜駅の地下通路でも問題なく位置特定できた。

地下街にいても使える
地下街にいても使える

 「GPSみたいな機能」の欠点は「対応エリアが極端に狭い」「無線LANアクセスポイントが移設されると位置情報が狂う」ってこと。無線LANアクセスポイントがskyhook wireless社に登録された時と違う場所に移設されると、とんでもない場所にナビされる。複数の無線LANアクセスポイントがみつかる場所なら1つくらい変な場所があっても補正してくれると思うけど、skyhook wireless社のデータベースに登録されている無線LANアクセスポイントが近くに1つしか見つからない場合は、その情報が全てになる。引っ越しなんかされてた日にはマップアプリはあらぬところを指し示すことになる。

JR保土ヶ谷駅と東戸塚駅の中間地点のはずなんだが、突然遠くに飛ばされた
JR保土ヶ谷駅と東戸塚駅の中間地点のはずなんだが、突然遠くに飛ばされた

 iPhoneみたいにGPS機能がついていて、その補助機能としてなら非常に有効なシステム(すばやい位置特定と地下や屋内での利用)。この機能だけでも23区内ならかなり実用的に使えそう。エリア限定で実用的。まあホントのところ実用的じゃないけど面白い。今のところ自分にとってGPS機能なんて面白けりゃいいっていう程度だからコレで十分楽しませてもらってる。横浜や川崎あたりで意味もなくiPod touchで現在位置を確認してニンマリしている私。ま、ホントにGPS機能が欲しい時は

GPS-CS3K
GPS-CS3K

↑コレ使えばいいし。

 ところでこの「GPSみたいな機能」をより有用なものにするためには何よりもskyhook wireless社のデータベースを充実させることだ。さあみんなも外出中に無線LANアクセスポイントを見つけたらソイツのMACアドレスを調べてskyhook wireless社のデータベースに登録するのだ。