iPod touchでホントのGPS(4)

 バカやってXGPS300をぶっ壊してしまった。極めてもったいないことをしてしまい致し方なくもう一つ注文しました。

 新しいXGPS300が届くまでの間、壊れてしまったXGPS300を分解して暇つぶし。裏面にある2カ所の穴に詰められているゴム栓をはずすとネジがある。2本のネジをはずしたら、すき間に爪を挿しながらパカッとはずすとGPSアンテナ、バッテリ、スピーカなどが現れた。




 上部の背面側にセラミック製のGPSアンテナがあって、その下にバッテリ。バッテリには554050HTという型番が印字してあってネットで調べると中国語のサイトがズラッと出てくる。GPSという文字もいっぱい出てくるのでGPS駆動用途に中国で製造されているバッテリらしい。1100mAh/3.7Vと書いてある。GPS機器用のできあい基板に、USBやDock端子のインターフェイスを取り付けたという感じなのかな。基板の作りを見てもDock端子やUSB端子の取り付け部分だけが何となく無理矢理っぽいつなぎ方に見えるし。

 GPSアンテナの裏(iPod touchと向き合う側)にGPSチップがある。チップにはu-bloxという社名とUBX-G5010 STという型番が書いてある。GPSのことは何も知らないので詳しいサイトの情報を参考にしながらu-bloxの技術資料を読み解くと、感度(どれくらい微弱な電波を捕捉できるか)が-160dBmで、これはけっこう優秀な部類らしい。iPhoneに内蔵されているGPSチップも-160dBmだとか。それからGPS衛星の軌道情報を事前に保持しておくことで測位を高速化するA-GPSがオフラインでも可能(AssistNow Offline)と書いてある。WiFiをOFFにすると格段に高速で測位できたのはこのAssistNow Offlineが効果的に機能するからなのかもしれない。

 ところでXGPS300を壊してしまう前にマイク機能についても少し調べてたので覚えている範囲で書いておく。詳しくは新しいXGPS300が届いたら再確認するけど。

 初代iPod touchのヘッドホン端子にはマイク入力機能がないのでマイク付きイヤホンを挿しても使えない。だから一般的にはマイク機能がないと言われているし、たぶんアップルの公式見解もそうだと思うけど、実はDock端子経由ならマイク機能が使える。第5世代iPodや第2世代iPod nanoもDock端子でマイク入力が可能だったのでネット上を検索するとコレ用のDock端子接続タイプのマイクを初代iPod touchに使っている人の話がいくつか見つかる。だからXGPS300もDock端子経由なので初代iPod touchでもマイク機能が使える可能性が高い。そこでiTunesStoreで録音用アプリを入手して試すわけだが、前述のサイトなどの情報によると多くの録音用アプリはダウンロードしてもインストール時の機種判定で初代iPod touchでは動作しませんと門前払いしてしまうらしい。そんな中でVoxie Pro Recorderというアプリは機種判定しないと聞いてコイツをダウンロードした。で、試してみたら録音できた。ボイスメモだよ、ボイスメモ。初代iPod touchでもボイスメモができた。

 そしたらもちろんSkypeも試したくなるよね。初代iPod touchでもSkypeできるのか?! Skypeをインストールして起動してアカウント情報を登録して「テスト通話」を実行!!『ルルルルルル・・・ルルルルルル・・・カチッ』お!つながった? ところがここから無音状態に。なにも聞こえない。本当ならここで「ありがとね、何かしゃべってみ」みたいなことが聞こえて、何かしゃべると数秒後にそれがおうむ返しで聞こえてきて、40秒後に通話が切れるんだが・・・・。うんともすんとも言わないまま40秒後に通話が切れた。んー、なんでだろう。XGPS300のメーカDual社のサイトでFAQを読むと「Does the Cradle have a built-in microphone?」という質問への回答として「・・・If you own a gen 2 iPod touch with microphone support, you should be able to use it for Skype. Unfortunately, gen 1 iPod touch does not support the microphone feature.」と書いてあった。第2世代iPod touchならSkypeが使えるよ、でも第1世代はマイク機能はサポートしないと書いてある。主語がgen 1 iPod touchなので、単に「第1世代は公式にはマイク機能をサポートしてない」という事実を書いてあるだけなのか、XGPS300ではSkypeは動作しないという意味なのか、私は英語が不自由なので読み取れない。でも初代iPod touchにDock端子マイクを取り付けてSkypeに成功している事例がネット上で複数見つかるのでXGPS300でできてもいいと思うんだが・・・Dock端子でマイクとスピーカが両方動作する点がネックなのかな。とにかく新しいXGPS300が届いてみないと試せない。早く来い来いXGPS300。

 そのXGPS300なんだが、米国に居を構えるVintage Computer様に代理購入をお願いしている。今は同社が購入代行する商品として正式にサイトに掲載されたので興味のある人は注文できます。70ドルちょいの手数料で代理購入してくれるだけでもありがたいと思ってたが、セールスタックス(消費税みたいなもんかな)が10%かかってるっていうからショップの取り分はもっと小さいのか・・・商売なんだからちゃんと利益乗せてくれてると思うがホントありがたい。Thank you very much.

 で、新しいXGPS300は日本時間4月8日(木)7:03にショップから「発送したよ」メールが届いた。前回と同じ曜日でほぼ同じ時間。ということはまた成田空港で2日間お預けのタイミングかも。税関の役人に土日も働けなんて酷なことは言いません。ええ、ガマンしますよ。ガマンしますとも。

iPod touchでホントのGPS(3)

 昨日iPod touch用GPSクレドール「XGPS300」でGPSが現在位置を特定するのに5、6分くらいかかるって書いたけど、メーカー公式ブログにGPSで位置特定を高速化する方法が掲載された(http://gpsforipodtouch.blogspot.com/2010/03/some-helpful-troubleshooting-tips.html)。Sometimes the Cradle locks on to the GPS signal quickly, and sometimes it seems to take forever.という質問に対して『いったんWiFi機能をOFFにしておくとiPodはGPS信号の処理に集中するようになるのでGPSによる位置特定が劇的に高速化されるよ』と回答している。WiFi機能がONになっているとiPodはGPS(みたいな)機能による位置特定を優先してしまいGPSの信号処理は後回しになってしまうってことか。GPSによる位置特定が終わってからWiFiをONにすればいいらしい。

 オフライン状態でもGPSによる位置特定の成否を確認できるように「Motion X GPS Lite」という無料のGPSアプリをダウンロードした。このアプリは座標やGPS信号の強度を画面に表示してくれる。さっそくWiFiをOFFにしてGPS信号だけによる位置特定を試してみたら、確かに早い、早い。起動から1分以内で位置特定できる。

 ところでここで最大のピンチ。GPS遊びと平行して充電関係でちょっと工夫しようと思っていじってたらうっかり5V電圧を逆流させてしまったらしい。極性は十分確認したつもりだったんだが・・・シガーライターソケットの極性って中心が+だよな・・・オレ、車持ってないからシガーライターソケットの極性は中心が+だと決め打で作業したのがまずかったか。シガーソケットの代わりにUSBをDCプラグに変換して車載用マウンタを経由して充電させようと思ったんだが・・・油断していろんな装置が刺さっているUSBハブにつないだもんだからびっくりしたよ。バックアップ用HDDのデータがすっ飛んだかと思って焦ったけど大丈夫だった。あー、電気系をいじるのは怖いってことを再確認。

 XGPS300の方はスピーカーとマイクは健在。まあこれは電気が逆流してもそう簡単には壊れないから。ただ肝心なGPS機能がお亡くなりになったみたい・・・。あー、オレはバカだ、アホだ。クソー。こういうバカな壊し方しておいての修理は恥だな。しかし、まだまだ楽しみたいことがいろいろあるんだ! 例えばさ、Dock端子の延長ケーブル使えばiPadにも接続できるんじゃないかとかさ。

カミさん、ごめん。ボクは行くよ!(by バナージ・リンクス)

 もうここまで来たら意地だ。もう一つ買ってやる! 今度は無茶しないよ・・・ホント。

iPod touchでホントのGPS(2)

 さて、米国のショップに代理購入してもらったiPod touch用GPSユニット「XGPS300」です。箱の中に入っていたのは

  • GPSアダプタ本体
  • USBケーブル
  • シガレット電源ケーブル
  • 車載用マウンタ
  • 第2世代iPod touch用のゴム製スペーサー

 本体下部正面にスピーカーの音量調整ボタンと右下に小さなマイクの穴。背面には電源スイッチと充電状態確認用のボタンとインジケータ。重さは思っていたよりもずいぶん軽い。iPod touchと持ち比べると半分くらいに感じる。実際にiPod touchが115g、XGPS300が80gなので確かに軽い。

 電源スイッチは[GPS][OFF][Power]の3段階きりかえ。電源スイッチを[GPS]側にすると全ての機能がONになる。[Power]側にするとGPS機能だけがOFFになってバッテリがiPod touchの充電にまわる。電源スイッチを[OFF]にすると全機能がOFFになるので音すら出なくなる。普段は電源スイッチを[Power]側で使って、GPS機能を使いたくなった時に[GPS]側にすればいいようだ。

充電

 充電はUSBで行なう。iPod touchを取り付けたままで両方に充電されるのか、片方だけ充電されるのかよくわからない。両方のバッテリを消費した状態から充電してみればわかるけど、今は急いでいる(メンドクサイ)ので別々に充電する。電源スイッチを[Power]にしておくとLEDの点灯数でどこまで充電できているか確認できるが[OFF]だとLEDが光らない。LEDが光らないだけで充電はできているんじゃないかなぁという気がしないでもないけどよくわからない。これもバッテリを消費した状態で[OFF]側でUSBにつないで放置しておけば確認できるけど、今は急いでいる(メンドクサイ)からそのうち思いついた時に試してみるよ。とりあえずもう夜遅いので寝る。

準備

 翌朝、充電も完了したので初代iPod touchをアダプタにセット。ピッタリサイズに作ってあってゴム製の滑り止めも付いているから差し込むのも取り外すのにも少し力とコツが必要かな。第2世代iPod touchは背面が少し湾曲しているので、すっぽ抜け防止用に付属のゴム製スペーサーを付けるらしい。私は初代iPod touchなので関係なし。

 取り付け終わってXGPS300の電源スイッチを[GPS]側にしてiPod touchを起動すると「アプリケーションがインストールされていません。アプリをインストールしますか?」って画面がでる。ここで[はい]と答えるとApp Storeに接続する。本来ならここで無料の専用アプリ「NavAtlas」のダウンロード画面になるんだろうけど、ここは日本。日本のApp StoreにはNavAtlasは登録されていないようで、いつまでたっても何も表示されない。ということであきらめてApp Storeを終了。ちなみにNavAtlasをインストールしない限りXGPS300の電源を入れるたびにこれを聞いてくる。でもダウンロードできないもんはしょうがないのでここは構わず[いいえ]を押せばいい。ま、電源を入れるときだけだし、たいした手間じゃないし、儀式みたいなもんだと思えばいい。

追加情報:最近iTunesStoreを見たらNavAtlasがダウンロード可能になってた。でも間違ってもダウンロードしてはいけません。2GBもある極悪非道のファイルサイズで、しかも北米の地図だけです。日本にいる以上はまったく不必要なアプリです。

いよいよGPS

 さて、GPS機能を試すために外出をしなければならんのだが、なんと都合がいいことにこの日から家族旅行だった。さっそくXGPS300を取り付けたiPod touchをポケットに入れて出発。京浜急行の終点「三崎口」駅を降りてバスを待っているときに『スイッチ、オーーン!!!!』『地図アプリ起動っ!!!』。iPod touchに標準インストールされている地図アプリはつまるところ単なるgoogleマップなのでネットにつながった状態じゃないと地図が表示されないよ。ということで正確には『イーモバイルのPocket WiFi電源オーーン!!!』『XGPS300電源オーーン!!!』『iPod touch電源オーーン!!!』『地図アプリ起動っ!!!』ってことになる。こう書くとすげーメンドクサイ感じだけど、たいしたことないよ、ホント。え、ホントだってば、ホント。

 地図アプリの画面左下にある現在位置確認ボタンをタップするとしばし考えた後「現在位置を確認できません」。あれ?!ダメ?使えない? いや、焦るな。旅行の時に一緒に持ち歩いているソニーのGPSロガー「GPS-CS3」も電源入れてから衛星捕捉するするまで数分かかるからコイツもきっと衛星捕捉に時間がかかっているに違いない。1分おきくらいに地図アプリを起動して確かめてみるも何の反応もなし・・・・5分ほどして地図アプリを起動したとき

キターッ!!

 衛星捕捉まで数分かかってしまうのは他のGPSロガーと同じってことか。いったん衛星を捕捉できればあとはiPod touchがロックした後でも数秒から30秒くらいで現在位置を特定してくれる。たぶんXGPS300側で衛星捕捉を続けているんだろう。

 ホントのGPSで位置特定している時はマーカーが違うのね。GPS(みたいな)機能を使っているときはだいたいこの辺だよっていう青い円が表示されてたけど、ホントのGPSで位置特定するとドーナツ状の輪が中心点からポワーン、ポワーンって広がっていくアニメーションになる。移動にあわせてヌルヌルっと現在位置のマーカーが動くのも気持ちいい。位置のズレも数m程度。

 翌日は大阪で仕事があったのでここでも使ってみた。イーモバイルの電源を入れてiPod touchの地図アプリを起動すると瞬時に現在位置特定。え、早すぎない? あ、これはGPS(みたいな)機能による現在位置特定だった。やっぱりすばらしく高速だわGPS(みたいな)機能。それから3、4分するとホントのGPSに切り替わった。マーカーのデザインが切り替わるのですぐわかる。地下街に入ると再びGPS(みたいな)機能に切り替わって位置特定を継続してくれる。外に出るとまたホントのGPSになる。オモシロイ。

 さーて、人柱覚悟で買ったGPSユニットが最低限の働きをしてくれることはわかった。十分面白さを味わったわけなんだが、こうなるとGPSを活用したiPhone用のいろんなアプリを使ってみたくなる。あ、それからマイク機能があるから録音アプリも試してみたい。つづきは、また明日にでも。