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薬師寺 東塔

奈良県の薬師寺にある数あるお堂の中で創建当時のまま現存する平城京最古の建造物だそうです。

へー、奈良に旅行にいたんですか。旅行嫌いのインドア人間が。なんのために?どうして?奈良に?

外に持ち出して自然光の中でちょっと逆光で撮影するとディテールが潰れるからなんとなく本物っぽく見えるけど、これ、プラモデルです。

あー、なんだ、プラモデルでしたか。

プラモデルです。フジミ模型の1/100薬師寺 東塔を作りました。ガンプラばっかり作ってる軟弱モデラーにとって建築物のプラモデルは敷居が高い感じがしてなんとなく敬遠してたんだけど、ネットで無塗装の作例を見たら成形色がいい雰囲気が出てて案外軟弱に作ってもそれなりに見られるものになりそうだなあと思って突然作ってみたよ。

4面の壁がほぼ同じ構造で1階分を構成していて、それがほぼ似た構造のまま3階建てになってるんで、同じような部品を同じように組み立てて壁を作っていく作業が4×3で12回繰り返す。美しい梁の構造をちまちまと頭ん中を空っぽにして黙々と作っていくのは面倒なことを忘れさせてくれてリラックスになる。

ちなみに、ガンプラじゃないので細かな部品を丁寧に接着するんで接着剤は必須。トロッとしたタミヤセメントと、サラッとしていてスキマにスッと入っていくGSIクレオスの流し込み接着剤を使いわけて組み立てていく。部品同士の合いは思ったよりよかったので、ヤスリで削って形を調整していく作業は思ったより少なくて済んだ。

軟弱者なので、いつも通りほぼ塗装なし。木部と石畳はタミヤの墨入れブラックで、屋根瓦はタミヤの墨入れグレーで、墨入れ。最後に全体にツヤ消しスプレーを数回に分けて薄く重ね塗りで完成。

んで、なんで突然、建築物なのかというと・・・・

あ、結局ガンプラなのね。

横浜みなとみらいで公開中の実物大「動くガンダム」の1/100プラモデルを作ったんですね。そしたら同じスケールの実在物と並べたくなったんで、なんかいいものないかなあとネットを調べてたらフジミ模型の1/100薬師寺 東塔が目にとまって。横浜ガンダムのオマケ的に作るつもりが、いざ作り始めたらガンダム作るよりも大変で時間かかったんでどっちが主なのかわからんくなった。

手前にある1/100アムロレイも塗装すればよかったな。

大切なものをけがされた気がする

Cosmetic-Info.jp という化粧品成分・原料・処方に関する情報提供サイトをかれこれもう20年以上運営してる。便利に使ってくれている人も多いと思う。

なにかしらのテーマで情報を収集してまとめるってのは誰でも思いつくサービスだから、この20年の間には Cosmetic-Info.jp 以外にもいくつもの化粧品原料を紹介するサイトが生まれてきた。そんな中で Cosmetic-Info.jp がいまも中心的な存在でいられるのは(もちろん最初だったということもあるけど)地道な情報収集の継続と、集めた情報をどうまとめるかという思想、それを具現化する使いやすいシステムの構築の結果だったと思ってる。

いくらシステムが優れていても載っている情報の質が悪ければダメだし、いくら質の良い情報を集めてもなんの思想もなくただ漫然と書き写すだけのサイトなら必要ないし、載っている情報がすごく良くても使いにくいシステムではダメだし。Cosmetic-Info.jp はその3つが他よりもちょっとだけ良かったんだろうなと自画自賛。

んで、最近、化粧品の成分や原料の情報を収集してまとめますっていうサイトが誕生したんで見てきた。

・・・・・・・・・なんだろう、うーん、ガッカリした。過去20年見てきた Cosmetic-Info.jp っぽいサイトの中で最大級にガッカリした。継続も思想も構築もない。「なんか便利そうなサイト作ったオレスゲー」的な小手先感丸出しの、ガッカリすると同時になんかものすごい不快な感覚がフツフツとわいてくる。

たとえば「ヤシ脂肪酸」という表示名称についての情報提供画面を見てほしい。まずはCosmetic-Info.jpの画面から。

Cosmetic-Info.jp

次が、最近誕生した化粧品成分・原料の情報提供サイト

新登場の化粧品成分・原料の情報提供サイト

見た目の雰囲気が似てるのはまあいい。扱っている情報が同じなんだから見やすさを追求すれば自ずと似たような見た目になるってのはわからんでもない。まあそれにしても似すぎだろうとは思うけど。問題は中身、書かれている情報そのもの。

たとえば「定義」のところ。粧工連は、すでに存在する表示名称が定義中に含まれる場合はその表示名称に(*)という印を付けている。粧工連の元ネタはここまで。で、Cosmetic-Info.jp ではこういう場合にはその表示名称を抜き出して『参照表示名称:[XXXX]』というその表示名称とそのページへのリンクを定義の末尾に追加してわかりやすく作り変えている。このサイトには Cosmetic-Info.jp が独自に書き加えている部分も含めて丸っと転記されている。思想がない。悲しい。

Cosmetic-Info.jpは定義中に現れる既存の表示名称にはその表示名称のページへのリンクを付け加えている。
新しいサイトはただ文字を書き写しただけなので、参照表示名称が意味をなしてない。

これってさ、[ヤシ油] って部分がヤシ油のページへのリンクになっているから意味があるんであって、単に『参照表示名称:[ヤシ油]』っていう文字だけコピペしても、それは定義中の『ヤシ油(*)』を『参照表示名称:[ヤシ油]』に書き換えてるだけで何の役にも立たない無駄な情報。私が使いやすさを考えて作った独自の表示方法を、その情報の意味を考えもせず書き写しただけだから、無意味な文字列に成り下がってる。成分に対する愛が感じられない。どうせ丸写しするならリンク機能もちゃんとマネすりゃいいのに、中途半端なことされて、なおさら悲しい。

たとえば「中文名称」のところ。どの表示名称とどの中文名称を紐づけるのが正解なのかってのが微妙な問題をはらんでいて解釈がいろいろある。名称同士の関係性に正解がないから困ってる。Cosmetic-Info.jp は Cosmetic-Info.jp としての解釈で表示名称に対する中文名称の紐付けを行っている。それが丸写し。俺の解釈とあんたの解釈は同じなのか?あんたにはあんたなりの解釈はないのか?悲しい。

(2010)のカッコは半角、(2015)のカッコは全角、2021の情報は今精査中でまだ載せてないのがCosmetic-Info.jp
カッコの全角・半角がそのまんま、2021の情報が載ってないのも同じ

しかも、Cosmetic-Info.jp では、元ネタの『国際化粧品原料標準中文名称目録(2010)』の(2010)は数字を半角カッコで括っていて『已使用化妆品原料名称目录(2015版)』の(2015)の版という文字付きで全角カッコで括っていて、已使用化妆品原料名称目录(2021)は情報の精査が終わってないので未掲載なのまで同じ。すごい悲しい。

なぜか必要な改行やスペースを取り除いているので情報が変になってる

そして、がっつり丸写しかと思えば、なぜか定義と中文名称とCAS RN®の情報からは改行とスペースを取り除くという意味不明な加工をしているから、Salvia officenalis が Salviaofficenalis になって単語の区切りがなくなってるし、目録版中文名称と既存使用中文名称がつながっていて読みにくいし、CAS RN®に至っては、8022-56-8 と 84082-79-1 がつながっていてもはや情報として無価値どころか誤情報に生まれ変わってしまっている。成分に対する愛がまったく感じられない。どうせ丸写しするなら改行やスペースもちゃんとマネすりゃいいのに、中途半端なことされて、とんでもなく悲しい。

2つのサイトの備考欄の比較(上:Cosmetic-Info.jp / 下:悲しいサイト)

たとえば「備考」のところ。20年にわたって収集し続けている表示名称に関するさまざまな情報を、私の解釈を交えて私の言葉で書き貯めている。いろんな通知が出たり、表示名称とINCIの関係性に解釈の問題が生じたとき、その他もろもろ集めたいろんな情報を自分なりに整理してわかりやすく記録し続けてきた。これも丸写し。このサイト今年できたばっかりなのに「(2014.6.15現在)」とかタイムスタンプまで丸写し。20年以上にわたる私の努力をなんだと思ってるんだろう。悲しい。

そしてなにより超絶最大級に悲しいのが↓コレ

Cosmetic-Info.jpは、ところどころに小ネタをはさんで楽しんでる。
おれの密かな楽しみまで奪いやがった

昔からところどころにクスッと笑える小ネタを書いてひとりでニンマリ楽しんでるんだけどさ、これもそのまんま丸写し。ここまで丸写しするなよ。おれの密かな楽しみを踏みにじられたのが何より最大級に悲しい。超絶悲しい。

なんだろう、このサイト作った人って技術屋としての自負とか矜持みたいなものはないんだろうか。

5年くらい前だったかな、さまざまな情報を一定のテーマに沿って収集・再構成して掲載する「まとめサイト」が流行してた。「キュレーションメディア」とかカッコいい名前で呼んでたけど。あの当時、医療系情報をかき集めてた「WELQ」ってサイトが、真偽も定かでない情報をなんの思想もなくただただかき集めて掲載してて、無断転載だとか嘘情報だとかで大問題になって閉鎖になった。あれと変わらないな。

情報に対する「愛」が感じられない。情報をカネを生み出すための道具としてしか見てないのかな。情報そのものが何を意味していて何を伝えてくれるものでどう受け止めるものなのか、そしてそれをどう伝えたらいいのか、そういった「情報を愛でる心」が欠落してるんだと思う。Cosmetic-Info.jp の情報を抜き出すプログラムを組んで自動的に自分のサイトにデータを取り込んだだけなんだろうな。取り込んだデータ全部を穴が開くまで見て、おかしなところや自分の思想にあわない解釈とか変えようとかって思わないんだろうか。

このぶんだと、久光工房が支援している化粧品成分オンライン(https://cosmetic-ingredients.org)の内容も丸写しして「成分の有効性、安全性情報、文献リストも掲載!」とか言い出しかねないな。

化粧品業界って、ビジネス成功のためなら手段を選ばないみたいなマイクロソフトとかソフトバンク風な人が(いないわけじゃないけど)少なくて居心地が良かったんだけど、だんだんそうでもなくなってきたのかな。悲しい。

Cosme-Design.jp

【化粧品 薬事チェックツール】薬事広告表現チェックの一次スクリーニング用にいろいろなオンラインツールがでてますよね。実は、久光工房も6年ほど前からやってたんですよ、地味に。いままで黙って地味に改良をしながらステルス営業してましたが『薬事チェックサービスやってます』って言っても笑われない程度にはなったんじゃないかと思う、今日この頃ごろごろゴロニャーン。ということでようやくちゃんと宣伝することにしました。

私は化粧品会社の研究所にいたころに、その当時は薬事部のような独立した部署がなかったんで、処方チェックみたいなことはやってたけど、届出や申請書類を書いたことはないし、ましてやマーケ方面の広告表現チェックなんかはまったく経験がないんで、薬事チェックツールはぼくがやる仕事じゃないなあと思ってたのが2014年まで。それがね、化粧品会社でバリバリの薬事の仕事してる人と飲んでてさ・・・・・あー『誰かと飲んでて・・・』っていう表現がなんか時代を感じるというかコロナのせいでこの2年近く誰かと飲んだっていう経験が激減してるのを実感するわ。去年の夏も今年の夏もビアガーデンに行かずに終わるのか。くそーっ、誰かと酒飲みてええええ。わたしのこの人生50年の中で面白い仕事のアイディアが出たのってたいてい誰かと飲んでて飲んだ勢いでなんか始まってたってことが多くて。誰かと飲まないとこのまま何のアイディアも浮かばずにガンプラ作って人生終了してしまいそうだ!!

閑話休題。でね、その人が言うには薬事の仕事には詳しい人がやらなくてもできる段階と、最後は文脈とか人が判断しなきゃいけない段階があって、人がやらなくても機械的に処理できる一次スクリーニングはEXCELとか使ってパパッと済ませてるっていうのよ。まあ、そうでもしないと大量のチェック業務を一人や二人でさばききれないわな。

んで、自分たちがやってる機械的に処理してる段階の仕事は、それをシステム化したら薬事専属の人がいない小さな化粧品会社の人にも便利に使ってもらえるんじゃないかなあ、って言うからさ、酔った勢いで「ぼくは薬事業務の実務経験がないけどなんとなく仕事の流れ程度はわかる。あんたのやってるそのほぼ機械的にできる段階の仕事ってのを詳しく説明してくれればそれをシステムにしてみんなに使ってもらうことはできると思う」とかなんとか言ったような言わなかったような。もう7年も前の話なのですっかり記憶の彼方。まあ、たぶん言ったんだと思う、記憶ないけど。

そこからだ。その人とその部下と私の三人四脚で、薬事チェックツール作ったのは。

メインになるのはもちろん広告表現チェック。やるのは「単語」チェックまで。文脈の解釈もしようかどうか迷ったけど面倒くさいからやめた。どこまで精度を上げてもどうせ最後の人力チェックはなくならないだろうし。その代わり、薬事の人が思いついたちょっと面白い「指標」を導入することにした。薬事の人はね、気になる広告表現を片っ端から何年間もEXCELに書き溜めてたのよ。その数なんと18,000商品。その長年のたゆまぬ努力の成果を利用してだな、その単語が過去のさまざまな広告媒体で使われた形跡がどの程度あるのかを数値指標にして出すの。実際にどの程度使われたことがあるのかがわかると、超ヤバい単語なのか、やりようによっては実は使えないこともない単語なのか、雰囲気がつかめる。しかも、実際にどんな使われ方をしたのか広告文面のほぼ全文も読める。ぼくはなんかすごい人の手伝いをしてるんじゃないかという気がしてきたよ。飲み会万歳!!超絶万歳!!酒飲みてーっ

2015年にCosme-Design.jpというサービス名で開始。その後も、飲み会をするたびに薬事の人がいろいろアイディアを持ってくるんで、おもしろそうなものは片っ端からシステム化。

Cosmetic-Info.jpのデータを連動させた全成分表示リストチェックとか。成分名の誤字脱字って多いんだよね。「水酸化AI」とか「(ベへン酸/エイコサンニ酸)グリセリル」とか「1,2-へキサンジオ-ル」とかね(これ、誤字が5個あるけどわかる?)。Cosmetic-Info.jpで把握していない表示名称はもしかして誤字脱字なんじゃないの?っていうチェックね。せっかくなんだからCosmetic-Info.jpも活用しないとね。

それから、薬事の人が収集してきた過去の通知や通達のリストとか。ほとんどが本家粧工連のサイトに行けば見れる情報ではあるけど、さっとタイトル一覧から関係ありそうな通知を見ることができるんでちょっとだけ使いやすい。

さらに薬事の豆知識とか。薬事の人の知識を惜しみなく披露してくれる、これはとても勉強になる豆知識一覧。わたしのバイブル。

それから、マーケの人がときどきやらかしてしまう二重価格の事前チェックツールも作ったし、食薬区分の情報も調べられるようにしたし。

最近だと、Cosmetic-Info.jpであまり閲覧されてない美容成分ランキングという、マーケティング的な穴場成分探しのサービスも追加したよ。

法定表示チェックシートなるものも途中まで作ったんだけど、これは未完成。

いろいろ作ったなぁ。ほんと作ったねぇ。作って作って作りまくったなぁ。で、これ使うのなんぼなの?

ということで