月別アーカイブ: 2009年5月

iPod touch でどこでもWi-Fi (5)

イーモバイルのD01HWにCTR350とKBC-L2を組み合わせることでどこでもWi-Fiができた。これでiPod touchだろうがPSPだろうがDSだろうが無線LANが使える端末ならどこでもWi-Fi。しかも外付けバッテリはいざというときに携帯電話やiPodの充電にも使える。

けっこう満足なんだけど「とりあえず作った」給電ケーブルにはちょっと不満。でかいコネクタと太いケーブルが気に入らない。カバンの中に放り込んであるだけだから見た目どうでもいいんだけど、でも何となくキレイにというかコンパクトにまとまらんもんかなぁと考えた。

DCコネクタとUSBコネクタのでっぱりとケーブルが太いのが気になる
DCコネクタとUSBコネクタのでっぱりとケーブルが太いのが気になる

そこで第二世代ケーブルを作成することにした。目標は次の通り

  1. DCプラグはL型にして出っ張りをなくす。
  2. USBプラグもできるだけ小型なものを使う。
  3. 給電だけが目的なのでケーブルはシンプルなプラスマイナスの2線だけにする。

と思い立ってから2週間ほど経ったころにたまたま秋葉原の近くで仕事があったので帰りに電気街に寄ることにした。

L型のDCプラグはプラグ部分だけのものとプラグとケーブルが一体化しているものがあった。プラグ部分だけのものはカシメたりカバーをひっかけるツメなどの要素があってちょっと大きい。

L型DCプラグ。意外にちょっと大きかった
L型DCプラグ。意外にちょっと大きかった

L型DCプラグケーブル付き
L型DCプラグケーブル付き

ケーブル付きの方が断然コンパクトだということが判明。ハンダ付けの回数も減らせるし、これに決定。反対側がフリーになっているやつを購入。

さて、USBコネクタはどの店に行っても同じものしかない。ごくごく普通のサイズで選択の余地なし。うーん、これはプラ部をカッターで削って小さくするくらいしか方法はないか。しょうがない。

USBコネクタAタイプ。どの店にいってもこれしか売ってない。色もこれだけ。
USBコネクタAタイプ。どの店にいってもこれしか売ってない。色もこれだけ。

さて、材料は揃ったのであとはハンダ付けしていくだけ。USBは4つ並んでいる端子のうち両側の2つが給電用。変にクロスさせないように確認しながらつないでいけばいい。まさかとは思うものの電気工作はプラスマイナスを間違うと悲惨なことになるので念のためにまずは市販のUSB Yケーブルを使ってUSB端子同士がどうつながっているのかテスターで確認する。右端同士、左端同士をつないでいけばいいことを確認。CTR350のDCプラグの極性を確認して内側と外側を間違えないようにハンダ付け。

で完成したのがコレ

上が初代ケーブルで、下が今回作ったケーブル
上が初代ケーブルで、下が今回作ったケーブル

初代ケーブルと比べると全長はそれほど変わらないけど、両端の端子がそれぞれ小さくなっていることと、ケーブルが細くなって取り回しがしやすくなっていることが特長。これを使うとどこでもWi-Fiセットをこんな風にまとめられる。

dsc02216

モバイルルーターと外付けバッテリをゴムバンドとマジックテープでくるっとまとめたらいいかも。なかなかいい感じ。

唯一心残りなのはUSB端子が一般的な大きさのものしか入手できなかったこと。それでもプラ部をカッターで削って小さくしたけどね。こうなったらもう少し小さくしたい。意味なんてなくていい。とにかく小さくしたくなってきた。

microSD用の極小USBアダプタを分解したら使えそうな気がしてきた。

microSDアダプタ。これを分解して・・・・
microSDアダプタ。これを分解して・・・・

MG RX-0 ユニコーンガンダム[Ver.Ka]

RX-0
UNICORN GUNDAM
FULL PSYCHO FRAME PROTOTYPE MOBILE SUIT

変身前のユニコーンガンダム。まさにユニコーン
変身前のユニコーンガンダム。まさにユニコーン

真っ白な一角ガンダムの装甲板をカチカチとスライドさせると内部からピンク色に輝くサイコフレームが現れて。

小説は読んでないけど、かっこいいから買った。部品が細かかったぁ。他のモビルスーツだったら1個で済んでる肩や胸の装甲部品も装甲が割れてスライドするからいちいち分割されてる。とにかく一つ一つの部品が小さい。しかも骨格にあたるムーバブルフレームと外装との間にピンク色のサイコフレームの部品が入るから、見た目以上に部品数が多い。しかも組み立て終わったあとのシールが・・・・多過ぎ。小さいし。これは何かの修行ですかぁ?とか言いながら貼付け。デカールに至っては、こんな凸凹してるところにどやってこすりつけるんでつか?

変身後のユニコーンガンダム。装甲板のすき間から現れる赤いサイコフレームがかっこいい。
変身後のユニコーンガンダム。装甲板のすき間から現れる赤いサイコフレームがかっこいい。

装甲板のパーツをひとつずつパチっパチっとずらしていくと、すき間から赤いパーツが現れて、なんだけど、ずらず部品が多すぎて多すぎて小さいから壊れそうでもう二度とユニコーンモードに戻す気になれない。ユニコーンモード用にもう一個買うか? ああっ、バンダイの思うつぼかそれは。

それだけに完成したときの達成感はひとしお。いやぁガンプラってホントにいいですね。

CONFIDENCE INTERVALS

2006年5月に@cosmeビジネスナビというサイトに書いたコラムを転載

家電量販店で「100人に1人はタダ!!」というセールを時々見かけます。な、なんつー太っ腹なんだと思ってつい買いにいこうと思ちゃうんですが、よく考えるとお店にとっては実質的に「全品1%OFF」と同じなんですよね。実態としてはほぼ同じなのに「全品1%OFF」と「100人に1人はタダ!!」ではずいぶん印象が違う。この販促案を考えた人はすごい。

さて、化粧品を上市すると、比較的軽微なものから要度の高いものまで程度の差こそあれ多かれ少なかれ必ずといっていいほど肌トラブルが発生します。もちろん全ての人に肌トラブルが起きないことが最も望ましいことですが、肌トラブルの原因は人によって実に様々なので全ての人にとって肌トラブルが起きない化粧品を作るのは限りなく不可能に近いというのが実際だと思います。そこで、配合成分をすべて開示して消費者が「自分にとって」良いもの悪いものを選択できるようにしたのが全成分表示制度の意義の一つだったと思います。おっと話がそれそうになった。先に書いたとおり、人によって肌トラブルの原因は実に様々なので市販後の肌トラブル件数が0ということはまずありません。どの会社でも「ある基準以上に重症度が高い肌トラブルが起きない」ことや「販売数量に対する肌トラブルの発生率がある一定値以下である」ことなどの基準を定めて対応にあたっていると思います。

ところで、化粧品を世に送り出す前に社員や限られた人に使用してもらい、肌トラブルがない、または十分に少なければ多くの人によって肌トラブルを起こさないだろうということを確認しておくことがあります。たとえば肌トラブルの発生率が0.05%以下であることを基準に化粧品を作るとして、市販前の使用試験でこれをどの程度推定できるんでしょうか? 「あ~ぁ、学生のとき統計学をもっと真面目にやっておくんだったぁ」としみじみ嘆く今日この頃なんですが、業界は違うけど統計に詳しい先輩のお知恵を拝借しながら頭をひねってひねって考えてみました。単純に考えれば「10,000人に使ってもらって肌トラブルが5人以下だったらオッケーでしょ」ってことになりますが、ところがどっこい試験結果の偶然性を考慮する必要があります。10,000人で試験した結果肌トラブルが4名だったとしても「たまたま4人で済んだ」または「たまたま4人もいた」可能性を考えると市販後の肌トラブル発生率は0.04%からある程度幅をもった範囲のどこかになると考えられます。ではどのくらいの幅を持っていると考えたらいいでしょうか。これは予測幅にどの程度の信頼性を求めるかによって変わってきます。幅を広くとれば信頼性は高くなる(予想が当たりやすくなる)し、幅を狭めると信頼性は下がる(予想がはずれやすくなる)。10,000人で試験して4人の肌トラブルがあった場合に信頼区間を90%(90%の確率で当たる)と設定すると市販後の肌トラブル発生率は0.04±0.033%と予測されます。これは、10%の確率でこの予想がはずれる(つまり肌トラブルが0.007%を下回るとか0.073%を上回る)可能性も残っていますが、おそらく肌トラブル発生率はこの幅のどこかになるでしょうということです。ってことは10,000人で試験して肌トラブルが4人だったとしても市販後に肌トラブル発生率が0.05%を上回る可能性はあるということになります。信頼区間の上方値が0.05%を切るような実験結果が得られた時に「おそらく(95%の確率で)市販後の肌トラブルが0.05%を超えることはないだろう」と言えます。逆算すると10,000人中肌トラブルが2人(0.02±0.023%)以下というのが合格基準に設定されます(実際の肌トラブルの発生率基準はここで例示した0.05%よりも厳しくとっている会社が多いと思うので、試験条件と合格基準はもっともっと厳しくなります)。

計算ではそうなりますが、市販前に10,000人で使用試験なんてあまりにも非現実的な条件ですね。数をそろえることが現実的でないから、敏感な人を多く集める、塗布回数を増やす、通常は肌トラブルにならない軽微な刺激感もカウントするなどの工夫で試験の質を変えて通常よりも肌トラブルが起きやすい条件で試験することで少ないサンプル数からでも肌トラブルの発生を検知できるようにします。通常よりも肌トラブルが100倍発生しやすい試験条件を組み立ててしまえば10,000人中2人の合格基準は単純思考で100人中2人という合格基準に読み替えることができます(この読み替えが統計学的に妥当性があるかどうかについては、すいません勉強不足で・・・)。その単純思考が正しいとしてもだよ、市場条件より100倍肌トラブルが発生しやすい条件で実験なんて、それはそれで無理だよなあ(ボソっと独り言)。

とにかく、100人程度の使用試験だけで化粧品の安全性を評価するのはヒジョーに難しいということがわかりました。だから、パッチテストや累積刺激試験、コメドテストなどいろんな試験をして複数の観点での評価が必要になるんですね。先生が日頃からアレをやれコレをやれとおっしゃることの重要性がわかりました・・・・先生って誰? 私たち化粧品技術者はより安心で安全な化粧品を世に送り出すために日夜あの手この手を駆使しながら化粧品を作ってるんですよね。統計の勉強もっとしなきゃ・・・。