計画停電対象外

 計画停電が実施されることが発表されて真っ先に考えたのはピアノ教室の照明。ピアノは電気使わないけど部屋が真っ暗じゃレッスンにならない。1週間くらいならレッスン休止もありだけどさすがに1ヶ月以上もレッスンしないのでは話にならない。でもラッキーなことに我が家には1年ほど前に買った電池式のLED楽譜照明がある。しかも先月には同じメーカーの高性能型も買ってあった。もちろん充電池はエネループ。それにUSBポートに差して使うキーボード用LEDライトもある。家の中をあさったら便利グッズがいろいろ出てきたのには我ながら苦笑。試しに教室の電気を消してこの3台をつけてみたら思ったより照度がとれた。しかも消費電力が小さいLEDだからレッスンの間ずっとつけっぱなしでも充電池は持つ。これなら計画停電が実施されても教室はなんとか維持できるわ。暗くて楽譜も先生の顔もよく見えないし、寒いと指の動きも鈍ってしまうだろうけどそれは我慢してもらうしかないか。

 ところがいつになっても停電しない。変だなと思って市のホームページを見たら我が家のエリアは計画停電対象外になってる。昨日気がついた。ありゃ停電しないのか。日頃からわけの分からんオモチャを買ってると思われてるお父ちゃんが面目躍如、お前らお父ちゃんの先見性と実力を思い知ったかの便利グッズたちが活躍する場はこないのか・・・・それはそれでそうなってみるとちょっと残念。

 とはいえ笑ってられないのは停電するかしないかが商売に大きく影響するからだ。ちょっと離れたピアノ教室じゃたびたび電気のない教室でレッスンしてるだろう。生徒に街灯の消えた暗い道を通わせることは(教室規約に事故免責を入れてあっても)万一のときの責任問題に影響するだろうから場合によっては送り迎え手段を手配する必要もあるかも。1回や2回ならまだしもこんなサービスレベルが低下した状況が長引けばそれに応じて月謝を下げるべきという声も出てくるだろう。計画停電は近隣の音楽教室の運営をかなり圧迫しているはずだ。偶然にも対象外になったウチの教室はもちろん日々節電に努めているがレッスン中の教室はいつもよりほんのちょっと暗いだけだし、寒いと運指が硬くなるから必要であればエアコンだってつけるし、生徒は街灯がついた明るい道をいつもどおり通うことができる。結果的に今までと変わらないレッスン環境を提供できている。東京電力と同じ契約をしているのにこの差は何だ?計画停電エリアの同業者からみれば納得いかないだろう。ではウチの教室も停電エリアに配慮して停電時間帯には教室の明かりやエアコンを消すのかと言えばそれはありえない。停電してないのに生徒に暗く寒い教室でレッスンを受けさせる道理はない。

 これは大きく見れば「都区部が計画停電の対象外なのは不公平か?」という議論と同じ。生活者という視点から見れば対象外の区域があっていいと思うし、首都機能維持というお題目も十分理解できる。我々が我慢するから首都圏の経済や行政機能は維持してくれという思いもある。しかし競合が存在する商売の経営という視点から見れば東京電力と同じ契約を結んでいるにも関わらず一部の競合社にだけ電力が供給され続けるというのはとうてい納得がいかないだろう。3月、4月は進級進学、引っ越しなどでどこのピアノ教室も生徒の出入りが多い。こんな時期に節電しつつも必要な電力は使える教室と、必要最小限の電力すら提供されない教室が、教室の住所だけで決まっている。停電くらいで生徒が離れていってしまうような低レベルなレッスンはしてないという思いもあるが、それでも立場が逆だったらと思うとゾッとする。

 同じ東京電力と契約しながら住所だけで経営基盤が崩れてしまう教室とそうでない教室が決まってしまう現状は確かに不公平だ。だから電車が止まろうが、行政機能が停止しようが、断水しようが、東京電力と契約している全ての契約者が等しく不利益を被る完全な輪番停電を実施すべきだという乱暴とも思える意見にも一理あると感じる(さすがに被災地も停電させるというのは気が引けるが、それでも被災地の周縁部では同じ不公平が生じるだろう)し、実際に完全輪番停電になれば素直に従うよ。何はともあれ教室の運営ひいては我が家の家計に大きな影響が出ていない現状に感謝。電気ありがとう。