節電

 節電、節電、15%節電って言われているけどさ、どうにも目標の示し方が違ってるように思うんだよ。問題はその日の最大消費量が供給可能量を超えるかどうかだから、電力使用が集中する14時前後でいかに電力を使わずに済ませるかってことだよね。だから16時から営業を開始する居酒屋が明かりを暗くしたりエアコンを弱めて15%節電に成功しても停電回避の役には立たない可能性大。節電は大事なことだけど、それはそれとして、今問題になってるのはどうやって15%節電するかではなくて、いかにして最大消費量が供給可能量を超えないようにするかってことだと思うんだよね。

 例えばみんな昼間はちょっと節電するだけで、夕方から夜間、早朝にかけての電気を節電しまくって、結果として15%節電に成功したとしてもたぶん停電する。逆に昼間の電力使用ピーク時間帯に15%節電できれば、他の時間帯で目標を達成しなくてもたぶん停電しない。目的は停電回避であって節電はそのための手段のひとつ。『15%節電!』では目的と手段が入れ替わってしまってる。普段の仕事でもよくあるんですよね手段が目的化してしまうことって。もう何のためにそれやってんのかわかんないけどやらなきゃいけないからやってるとか。目的を理解していれば、サマータイムとか、木金休業/土日勤務っていう最大電力消費時間帯をズラすという手段も出てくるし、ガスタービン発電機を使って自前で電力を調達するなんていう手段もでてくる。

 いや、なんでこんなことボヤいてるかっていうと、今日、家電量販店をブラブラしてたら「夜は冷蔵庫を開け閉めしないからこういう時間帯にタイマーで冷蔵庫のスイッチを切れるよね」「待機電力もバカにできないから寝る前に全部コンセント抜く」とか節電の方法を話している人たちがいたもんだから気になっちゃって。目的が節電っていうならそれもありだけど、それじゃ停電回避の役には立たないよぉ。