ガンプラには縮尺や難易度によっていろいろなブランド(グレード)がある。『最新の技術を搭載し、内部構造にも外観の造型にも一切の妥協を許さない。ガンプラの究極の姿を具現化する最高峰ブランド(バンダイ ホビーサイトより)』がパーフェクトグレード。略してPG
んでそのPGの「ユニコーンガンダム」。劇中の変形機能の再現だけでなく、変形後の謎の発光現象を専用LEDを組み込んで再現できるのも特徴。
おおっ。光ってるぅ。超小型LEDを使えば細かい部品が詰まっているプラモデルにも発光を組み込めるようになったのね。むぎ球時代からおどろくほどの変化だ。
このユニコーンガンダムはアニメでは「部品全体が発光する」という設定になってる。しかし超小型LEDは点発光なので、ランプとか信号機とかを表現するには適してるけど、大きな部品全体が発光する様子を表現するのは難しい。
メーカーも試行錯誤したんだろう。発光する設定のパーツは蛍光塗料を練りこんだ半透明プラスチックにした。んで、隠れた部分に紫外線を多く含む紫色LEDを仕込む。パーツに練りこまれている蛍光塗料は紫外線を受けると蛍光発光する。これで部品全体がボワっと発光しているように見せる・・・・という方法を考案した。
興味深いアイディアだと思って期待してたんだけど、思ったほどボワっと光ってるようには見えないんだよね。結局、裏に仕込んである紫色のLEDの点発光が目立ってちょっとイメージ通りにはなってない感じ。太ももとか腰回りなんかは特にLEDが隠しきれてなくてLEDそのものの発光が悪目立ちしてる。上の写真だとヒザの部分とか足首付近、わきの下の部分なんかはいい感じで蛍光発光の効果がみえてるんだけどね。
まあ、それはいい。
そうなのか・・・いいのか。いや、ほんとは良くないんだけど、まあいい。このプラモデルにはもっと大きな問題があるんだ。
アニメでは、装甲が閉じた純白の「ユニコーンモード」と、装甲が開いて内部フレームが露出する「デストロイモード」の2種だった。
ところが、PGではプラモデルのオリジナル設定としてデストロイモードからさらに装甲が展開した「アンチェインドモード」が設定された。ところが肝心なこのオリジナル設定のアンチェインドモードで露出するフレーム部分はLEDがなくて光らない。
「上腕」「前腕のヒジ近く」「ふくらはぎの外側」「ふくらはぎの内側」のアンチェインドモードで露出する部分にLEDがなくて光らない!!!
せっかくのプラモデルのオリジナル設定がまったく活かされないというのはいったいどういう意図なんだ?企画会議とかで問題にならんかったのか、コレ。
ということで
ここ数年で超小型LEDがだいぶ安くなって入手しやすくなると同時にプラモデルなど模型の電飾に使いやすいように配線済みの超小型LEDが市販されるようになってきた。ので、そいつを使って足りないところにLEDを埋め込んでしまうというのが今回の記事。
使用したLEDキット
模型用LED専門ショップ「マイクラフト」(http://www.my-craft.jp/index.html)のチップLEDキットを使うことにした。自力じゃ半田付けなんて到底不可能な超小型LEDにケーブルを半田付けしてくれてるだけでなく、連結用のコネクタも付いてて、さらに専用コントローラを使えば面倒臭い抵抗計算もいらないという至れり尽くせりの優れもの。電源電圧は3〜5Vくらいを想定した設計になってるのもうれしい(電源にはUSBモバイルバッテリーを使いたかったので)。
ふくらはぎの電飾
マイクラフトのチップ型5連LEDランプを使って、ふくらはぎの内側2カ所、外側2カ所、それから上の写真では写ってないけど、後ろ側1カ所の計5カ所にLEDを仕込む。
まず、ふくらはぎの内部にある黒いパーツを裏から見るとちょうど目印に使えるマルいモールドがある。ここに3mmφくらいのドリルでグリグリっと穴を開けるとちょうどいいところに開口部ができる。
内側も外側も同じ部分に穴を開けたらチップ型5連LEDランプをグルーガンでベタベタと固めちゃう。このときLEDの発光部がちゃんと外側へ向くようにして接着すること。
どうせ見えない部分だから適当適当。5連LEDのうち真ん中の1個を間に残して前後の2個ずつをふくらはぎに接着する。連結用のコネクタはふくらはぎ内側部品の上に向かって終わるような配置で接着する。
↑こんな感じに仕上がる。LED間の配線の余分は凹み部分に適当に押し込んでおく。
次に、配線を背中まで持っていくために「延長ハーネス30cm」を付けて配線を延長しておく。配線はいったん折り返して足首近くにあるちょうどいいスキマがあるんでここにコネクタ部を収めて、ケーブルを上へ出す。
それぞれのパーツを取り付けるとこうなる↓
5連LEDの真ん中の1個はふくらはぎの後ろ部分(バーニアで隠れる部分)に適当に配置する。金属ケーブルなのでうまいことLEDが斜め下方向を向くようにしておけばグルーガンなどで固定しなくてもなんとかなるし、このLEDは接着しない方があとでふくらはぎのパーツをまた外すこともできる。
さて、ふくらはぎ内側の上部から引き出したケーブルの処理に移る。
まずはヒザ裏のパイプを表現しているパーツを取り外して、真ん中の出っ張り3カ所を削ってケーブルを通すスキマを作る。
ヒザ裏のど真ん中を通るようにケーブルを置いて、上からこのパーツをかぶせる。ちゃんと削れていればケーブルを上下に動かせるので、ケーブルを引っ張って目立たないようにきれいに収める。
最後は、純正LEDキットのケーブルと同じような感じで太もも内側にケーブルを通す部分を作る。
太もも内側のパーツは上下2つある。ケーブルを通すのに邪魔になる壁のような部分をニッパーとかカッターで適当に削ればOK。どうせ組み立てたら見えない部分だしすこし大きめにザクっと。
↑太もも内側の上装甲はこの写真の場所を参考にケーブルを通せる部分を作る。
↓太もも内側の下装甲は純正LEDキットのケーブルを通すためにもともとある壁の凹み部分を横へ広げる
作った凹みを通してケーブルを股関節へ出す
最後に、背中側のスカートの隙間から背中側へ引き出しておく。これで純正LEDキットの電源ケーブル接続位置と同じ場所へケーブルを引き出すことができる。
反対側の脚でも同じ作業をやってふくらはぎの電飾は完了。
上腕の電飾は次回。