Macに付属しているデジカメ写真管理ソフトのiPhotoがバージョン8(iLife ’09)から緯度経度情報を使って撮影地点を地図で表示できるようになった。表示される地図(google map)を使って特定の場所で撮影された写真を探し出すことができたり、逆にある写真がどの場所で撮影されたのかを地図上に表示させたりできる。
例えばiPhotoで箱根あたりの地図を表示させておいて「写真を表示」に切り替えると日時にかかわらず箱根で撮影した写真をまとめて簡単に見ることができる。我が家はここ数年間で何度か箱根へ行っているのでこうやって選び出された写真をながめていると子供や自分の年齢の変化や景色の変化などを簡単に楽しむことができる・・・・・・・・・・・はず。
いや、なにごとにも楽しむためには準備が必要。そもそもデジカメ写真のファイルに撮影位置の情報が書き込まれてないことにはどうにもならない。だよなあ。過去に撮影した写真には手動でチマチマと位置情報を入力するしかないのはしょうがないとしても、これから撮影する写真には自動的に位置情報が書き込めるようにしたいなあ。どうする?
ニコンがGPSを内蔵したデジカメ「COOLPIX P6000」を発売したらしいし、iPhoneもGPSを内蔵しているので撮影した写真には位置情報が自動的に記録される。フィルムカメラの置き換えとは一線を画すデジタルカメラならではの楽しみ方として今後はGPS内蔵デジカメが増えてくるんじゃないかなと勝手に想像。
そんなこと言っても1年前にデジカメ買い替えたばっかりだし、GPS内蔵カメラの選択肢もまだ少なくて欲しいと思えるものがないんだよな。なんかいい方法ないかなあと思ってたら、出た。ソニー「GPS-CS3」。デジカメじゃないんだけど。GPSが内蔵されている小さな箱。電源入れておくと15秒おきに自動的に現在時刻と現在位置を内蔵メモリに記録し続けるGPSロガーって呼ばれてる機器のひとつ。
面白いのはメモリカードスロットにデジカメのメモリカードをさすと、写真の撮影時刻とGPSの記録を突き合わせて最も近い時刻の位置情報を写真に書き込んでくれるという機能。これを持ち歩いて写真を撮ったら最後にメモリカードをコイツに挿して位置情報を書き込んでiPhotoへ取り込めばOKってこと。対応しているメモリカードはメモリースティックとSDカード。ソニーにしては柔軟な思考な人が設計したのだろうか。デファクトスタンダードともいえるSDカードに対応しているのがうれしい。
発売と同時にさっそく買ってしまった。思ったより小さくて軽い。初めて電源を入れると時差の設定。日付と時刻はGPSの電波に含まれているのでここでは標準時との時差を設定するだけでいい。日本は+9時間。あとはできるだけ見通しのいい場所で2、3分待てば自動的に測地が始まる。次回以降は時差設定もいらないし、電波の補足も数秒で終わる。
重要なのはGPSユニットとデジカメの時刻を合わせておくこと。両者の時刻情報を突き合わせて位置を特定するのでこれがずれてるともうどうにもならない。GPSユニットの時刻表示にデジカメの時刻をピッタリ合わせること。あとはGPSユニットの上面がちゃんと上を向くように付属のケースなどに入れて持ち歩くだけ。バシバシ撮って、メモリカードをGPS-CS3に挿したら「Matching」してiPhotoで取り込み。うんうん。
さて、実際に試してみました。GPSユニットの時計表示を見ながらデジカメの時刻を合わせて、出発! 近所をうろうろして適当に写真を撮って帰宅。メモリカードをGPSユニットにセットしてマッチング。それからiPhotoで読み込んだ。iPhotoの地図上での表示と実際に撮影した位置を比較したのが下の図。ピンの先がGPSによる位置情報で、←の先端が実際に撮影した位置。
ここまで拡大してみるとずれているのがわかるけど、数mからせいぜい十数mくらい。「箱根で撮った写真を探したい」「ディズニーランドで撮った写真を探したい」「北海道旅行の写真を探したい」という目的なら十分すぎる精度。神経質にならなければ写真を見ながらハイキングルートやサイクリングルートを思い出して楽しむなんてことにも十分使えそう。
GPSユニットの計測は15秒ごとなので、高速移動していると15秒の間に撮影者の場所が大きくずれるので、マッチングの精度はさらに低下することは容易に想像できる。車とか電車で移動中の写真の位置情報はあまり期待しない方がいいとは思う。でもまあこれで家族旅行の写真がいっそう楽しくなると思うといい買い物だった。