携帯電話はSIMカード(ドコモではFOMAカード、ソフトバンクではUSIMカードと呼んでる)という小さなカードを挿して使う。例えば端末の買い替えは古い端末のSIMカードを新しい端末に挿してやれば基本的な作業は終了する。すぐに使える。SIMカードを古い携帯に戻せば古い携帯ですぐに通話もできる。それこそ友人の携帯に自分のSIMカードを挿せばその瞬間からその携帯は自分の携帯として使用できる。契約者に関する情報はSIMカードに入っていて、携帯そのものはただの送受信機って感じ。携帯電話機はSIMカードを差し替えるだけで誰の携帯電話にでもなるのだな。
ところがソフトバンクの携帯にドコモのSIMカードを挿しても使えない。これは携帯電話機にわざわざ「ソフトバンクのSIMカードしか受け付けない」という設定がされているから。もしこの設定がなければ、ソフトバンクを使っている友人の携帯電話のUSIMカードを抜いて、自分のFOMAカードを挿せば、その瞬間からその携帯電話は自分の電話番号でFOMA携帯として電話ができて、もちろん通話料の請求もドコモから自分の口座にドコモの携帯を使った通話料金として請求される。繰り返しになるが、携帯なんてただの送受信機で、SIMカードを差し替えることで一瞬で誰の携帯電話にでもなる。
特定の電話会社のSIMカードしか受け付けない設定のことは「SIMロック」と呼ばれてる。SIMロックがない携帯電話なら、USIMカードを挿せばソフトバンクの携帯に、FOMAカードを挿せばドコモの携帯にと使い回すことだってできる。ま、実際にはiモードのようなドコモ独自の機能に対応するボタンがないのでソフトバンク用携帯電話をドコモの携帯として使うのは完全には無理だが、通話くらいならなんの支障もない。
ここから本題。米国で販売されているiPhoneには「AT&T社のSIMカードしか受け付けない」という設定が書き込まれている。ドイツで販売されているiPhoneには「T-Mobile社のSIMカードしか受け付けない」という設定が書き込まれている。そして、日本で販売されているiPhoneには「ソフトバンクのSIMカードしか受け付けない」という設定が書き込まれている。もし、この設定(SIMロック)が解除されたiPhoneがあれば、それはどの会社のSIMカードでも使えるということになる。つまりドコモのFOMAカードを挿せばドコモの携帯電話として普通に使える。ま、iモードは無理だけど。
実際にiPhoneのSIMロックを外してドコモで使っている人がいる。SIMロックを解除する方法は主に2つ。ひとつめは「Jail Break」というソフトを使ってiPhoneに書き込まれているSIMロック情報を解除する方法。もう一つは香港のようなSIMロックという制度が存在しない国のiPhoneを買う方法。香港にはSIMロックという制度がないらしく、消費者は電気店で好きな携帯電話機を購入。それに自分が契約している電話会社からもらっているSIMカードを挿して使うということらしい。まあよく考えれば日本でも家電(固定電話)は電話会社と電話機メーカーは完全に別々だもんね。電話会社がNTTだろうがKDDIだろうが日本テレコムだろうがJ:COMだろうが、どの電話機買ってもちゃんと繋がるもんな。「この電話機はNTTじゃないと繋がりません」とか「日本テレコムじゃないと繋がりません」みたいな電話機が売ってても誰も買わないよな。
話がそれた。
ということで香港で販売されているiPhoneを買ってドコモのFOMAカードを挿せばドコモでもiPhoneを使うことができるんですね。ネットで「iPhone 香港 ドコモ」とかで検索すると実際にそれをやってる人が何人も見つかる。この場合、気をつけないといけないのはiPhoneを使ったパケット通信はドコモではPCを使った接続として認識されるのでパケ死の可能性があるってこと。パケホーダイダブルに契約していてもPC接続の上限額は13,650円(ボクならパケ死です)。これは危険すぎる。