化粧品には原則として医薬品の成分は配合不可

化粧品の配合成分は2001年4月以降原則自由。企業の責任において選択できるようになりましたが、いくつかの制限が残っています。列記するとおおむね次の通りかと。

  • 医薬品の成分は配合禁止。例外:旧化粧品種別許可基準に収載の成分、2001年4月より前に化粧品の配合成分として承認を受けているものおよび薬食審査発第0524001号「化粧品に配合可能な医薬品の成分について」に収載の成分は医薬品の成分であってもその前例範囲内で配合可能。
  • 生物由来原料基準に適合しない原料、化審法の第一種特定化学物質/第二種特定化学物質、化粧品基準別表1(ネガティブリスト)の成分は配合禁止。
  • 化粧品基準別表2(ネガティブリスト)の成分は制限を守って配合する。
  • 防腐剤として使ってよいのは化粧品基準別表3(ポジティブリスト)に収載の成分だけ。
  • 紫外線吸収剤として使ってよいのは化粧品基準別表4(ポジティブリスト)に収載の成分だけ。例外:製品を保護するためだけに使われることがあきらかな場合は対象外(ただし、製品保護と人体保護を区別する基準はない)。
  • タール色素(有機合成色素)として使ってよいのは「医薬品等に使用することができるタール色素を定める省令」の成分だけ。例外:赤色219号及び黄色204号については毛髪及び爪のみ。

「医薬品の成分」ってのがあいまいで怖い。基本的には「日本薬局方」に記載されている成分は医薬品の成分に該当すると考えておいた方がいい。厚生労働省医薬食品局審査管理課通知「医薬品の一般的名称について」というのが随時出ていて新しい医薬品の成分はここから取ることもできそう。ただし、単純に名称が一致しているかどうかだけでは見落とす可能性が高くて、怖い。さらに日本で使われたことがなく医薬品の成分と認知されていない成分でも海外で医薬品の成分として取り扱われているものであれば医薬品の成分とみなされる可能性もある。『A国では伝承医薬に用いられてきた高い効果が期待できる植物のエキスです』なんていう新規原料はよく調べたほうがいい。

いや「君子危うきに近寄らず」「石橋をたたいて渡る」くらいの方がいいかも。国内とくに大手企業の採用実績を確認できたものなら大丈夫とみなすのが現実的には一番簡単で確実なチェック方法かも。