IMS 1/100 L.E.D.ミラージュ V3 単騎仕様 Ver.

「ファイブスター物語」という漫画に登場するロボット(モーターヘッド)がある。これが作者の永野護の独特なデザインセンスで超カッコいいのよ。1986年に月刊アニメ雑誌「NewType」で連載が始まったんだけど、あまりに衝撃的な絵だったからその号はページを切り取って単行本が出るまで自作単行本みたいにして何度も何度も絵を眺めてた。ロボットデザインの一時代を築いた作品。

マイナーな作品ではあるので、大量生産前提のプラモデル(インジェクションキット)ではなく、少数生産向きのレジンキャスト製(いわゆるガレージキット)としていくつかのメーカーから商品化されてきた。そこに、ボークスという会社が「IMS」(インジェクションアッセンブリ・モーターヘッド・シリーズ)というブランド名で、モーターヘッドのプラモデルを発売。

プラモデルとはいうものの、切り取ってパチパチはめこめばできちゃうガンプラのようなものではなく、接着剤は当然として合わせ目のズレを直したり塗装したりと「プラモデルってこういうもんだろ」とかお年寄りに言われちゃう感じの商品。敷居が高いし、お値段も高い。

ちょっとどうかなぁと長年指をくわえて見てるだけだったんだけどさ。コロナによる巣篭もり需要ってやつでプラモデル作ろうとか思う人が増えたらしく、ガンプラが異常なほどに買えなくなった。ガンプラが買えなくなってしまったんで、とうとう買ってしまった、IMS。数あるモーターヘッドの中でも漫画の第1話冒頭から衝撃的な絵で描かれた主役級ロボットの「レッドミラージュ(L.E.D ミラージュ)」を作ることにしたよ。

何層にもなるパーツの重なりでできあがる圧倒的なカタマリ感。たまらない、これだけでうっとりしちゃうわ。永野護デザインロボットの特徴である極細蛇腹ウエストの再現度も美しい。

漫画連載中に何度も設定変更が重なっていて、最終的には白い外装の材質は謎の半透明素材って設定になってる。このプラモデルはその設定を反映して外装はうっすらと透ける少し透明性がある白のプラで作られている。この設定を活かすなら白の外装に塗装はできない。うん、うん、塗装しなくていい理由がばっちり手に入る。塗装が苦手なわたしにとってはとてもいいことだ。

塗ったのはフレームの紫色の部分と金色、トサカとツノの黒鉄色と外装の銀色くらい。フレームの大部分のグレーは成形色のまま、外装の半透明乳白色も成形色のまま。フレームはつや消しスプレーをブシャー。兵器系のロボットはつや消し仕上げが定番だけどモーターヘッドは、美しさが大事。設定でも汚れがつかない謎素材ってことだし外装はデカールを貼ってから光沢スプレーをドバーっ。お高いプラモデルだけどガンプラ並みにザックリ作った。

スネの部分がクリアレッドのパーツに炎のようなオレンジ色の水転写デカールを貼るんだけどなかなかに難しい。いっきに貼ろうとするとたぶんちぎれてしまう。1枚の大きなデカールだけど、デザインの切れ目の部分であらかじめナイフで切って2つ3つに分けて貼った。

太ももとスネの赤い部分が、透明素材という設定。フレームがよく見える。ここの内部のフレームは金とか銀のメタリック塗装をワンポイントで塗っておいてもよかったかもしれない。

パーツの合いが悪いところを削ったり、接着面が目立つところを丁寧に平滑処理したりとガンプラと比べたら組み立てるのはもろもろ大変だけど、まあ思ってたほどではなかった。塗装も筆塗りでこれくらいに仕上がるんだからよくできてると思う。

それにしても美しい。前も後ろも表も裏もすみずみまで細かな造形が作り込まれていてガンプラとは違った楽しさが味わえる。ガンプラほど簡単ではないにせよ、比較的簡単にここまでのものができちゃうんだから、いやはや、いい時代だ。長生きはするもんだと思う今日この頃ゴロゴロリ。

ちなみに設定では全高18.7m(肩高 15.2m)となってる。18mといえば僕らのヒーローロボット「ガンダム」の全高が18m。ほぼ同じ。そこで同じ1/100スケールのMG ガンダムver.3.0と並べてみた。

なんか、すごい大きいんですけど・・・・ガンダムは18cmなので18mの1/100としてピッタリですが、L.E.D.ミラージュはわかりやすい肩高として15.2mの1/100だから肩の高さが15.2cmのはずが24cmくらいもあるんで、そうとうスケールがおかしい。まあ、気にしちゃいかんだろうな。大きいので出来上がった時の満足感もビッグよ。

これでちょっと自信がついちゃったわたしなので、IMSシリーズで次はバッシュを作ろうかなと思う。あれもほとんど塗装なしで作れそうだし。そうだ、次はバッシュを作ろう。