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冬のエアガン

 空気圧でプラスチック玉(BB弾)を発射するオモチャ「エアガン」。オモチャと言ってもあなどるなかれ。同僚に見せてもらったエアガンに魅せられて5年くらい前に買った東京マルイ製「G26 ADVANCE」。ガスブローバック式といって、引き金を引くとあらかじめ充填してある圧縮ガスによってBB弾が飛び出し、さらにガスを噴出して上部の遊底をパシッとスライドさせて次弾装填をする。このときの反動がなんとも言えない高揚感を導きだすんだなあ(うっとり)。

 さて「圧縮ガスを噴出する(液化ガスが気化する)と温度が下がる」。気化熱ってやつだな。温度が下がると空気圧はさらに下がる(液化ガスが気化しなくなる)。ガスブローバック式エアガンは撃つたびに気化熱によってガスタンク部が冷えていく。夏場なら気温ですぐに温まるんだけど、冬場はそうはいかない。あっという間に圧縮ガスを貯めてある部品がキンキンに冷える。キンキンに冷えちゃうと液化ガスが気化しなくなって引き金を引いてもポシューっと気の抜けたガスが出るだけでBB弾が出なくなる。

 何発か撃ったらマガジンを外して使い捨てカイロで温める。人肌くらいに温まったらまた装着して撃つ。の繰り返し。たいへん面倒で、興ざめ。冬は暖かい部屋じゃないとガスブローバック式エアガンは楽しめない。バシッピシッというブローバックがなくてもいいので、とにかくエアガンを撃ちたい!というときは電動ガンの出番。バッテリーを搭載してモーターの力で圧縮空気を作ってBB弾を発射するタイプ。気温に左右されずにパシパシ撃てる。最近の電動ガンではモーターの余力を使って内部で金属製のおもりをガシガシ前後に動かすことで反動も楽しめるタイプも出てる。

 え?オレ?買ったよ、電動ガン。5年前に、すでに。ということでこの時期は電動ガンで遊ぶ。

実質負担0円で太陽光発電導入?

 先日、私の留守中に太陽光発電設備の販売業者がやってきてカミさんが対応した。いろんな訪問販売業者がやってくるがカミさんは箸にも棒にもかけずに断るのに、なぜか太陽光発電には弱いようだ。私が帰宅したら玄関に「19:30に面談ご予約」なるものが書かれた訪問票が置いてあった。5年くらい前にも同じシチュエーションがあったよ・・・・デジャぶぅ!!

 太陽光発電装置はタダじゃない。6年くらい前に実家が太陽光発電を導入したとき300万円強くらいだった。だいぶ安くなってるだろうけど今だって200万円くらいするんじゃないのか? 我が家の電気代は年間を平均するとだいたい15,000円/月。もしこれが全部太陽光発電でまかなえて15,000円が浮いて、しかも余った電力を売電できて月に3,000円もゲットなんていうありえないラッキーシチュエーションがずーっと続いたとしても200万円の設備費をチャラにするのに10年かかる。これ200万円を即金で払った場合ね。ローン組んだら利息の支払も上乗せになるから軽く10年以上かかる。10年以上も先にあるかもしれないおトク感なんてリスク高すぎ。そんなハイリスクは住宅ローンだけでもうお腹いっぱいです。って5年くらい前にも同じシチュエーションがあったよ・・・・デジャぶぅ!!

 カミさん曰く「でもね、なにやら実質負担0円だって言うのよ・・・・」。アホか、お前は。白犬のスマホじゃないんだから実質負担ゼロって、じゃあ業者はどこから金とってくるんだよ。スマホは端末タダでも通話料で取り返せばチャラっていうロジックは成立するが、この太陽光発電装置は東電が売りにきたわけじゃないんだよ。電気代は東電に払うんだから設備費を電気料金で回収するっていうロジックは成り立たないだろ。まったくもう・・・・ブツブツ・・・・

 でも「ご主人がいらっしゃるときに詳しい話を・・・・云々」ってことで面談時間を設定しちゃってるんで会わないわけにもいかず。せっかくだから「実質負担0円で太陽光発電を導入」ってのがどういうロジックなのか気になるし話を聞いてみようじゃないか。まさか円じゃなくてドル払いですとか外貨投資勧誘かよってオチでもあるまい。

 誠実そうな顔をした営業マンがやってきた。で、お決まりの微妙に上ブレすぎる予想のグラフを見せながら「これから電気代はどんどん値上がりしていきます」「お子さんの成長に伴ってドライヤーなど使う電気の量も増えていきます」など既視感タップリのアオリ・・・・デジャぶぅ!! 原発事故をからめて説明することで説得力は増しているけど。いや、オレが聞きたいのはそこじゃないんだ、実質負担0円の仕組みなんだよ。ここに書いてある「実質負担0円で太陽光発電を導入できるかもしれません」ってのはどういう仕組みなんだよ。

要するにこういうことのようだ↓

 太陽光発電を導入すれば電気代が節約できる。日中に外出が多い家庭なら余った電気を売電できる。節電や売電で浮いた電気代を設備のローン支払にまわす。国や県の補助金が充実している今なら浮いた電気代程度で返済できるローンが組める(かもしれない)。

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私なりにわかりやすく書いたけど営業マンはもっとわかりにくく言うもんだから10秒くらい黙り込んで考えちゃったよ。

  1. 月々○○円の電気代を払い続けて、そのあとに何も残らない。
  2. 月々○○円のローン返済を続けると、そのあとに太陽光発電設備が残る。

この2択をせまってるわけか。家賃を払い続けて何も残らない賃貸住宅か、同額をローンにすれば自分のものになる持ち家かの2択と似た構造。ローン返済が終わるまでは家計の負担額は変わらないっていうのが「実質負担0円」の意味するところなのだ。太陽光発電を導入しても家計の負担額は増えもしなければ減りもしない。でもそのまま10年か20年するといつの間にかローン返済が終わっててそこからは太陽光発電設備のおかげで家計の負担額は一気に安くなる。なるほどね、理解できたよ。

 神奈川県は黒岩知事が「エネルギー革命」「かながわスマートエネルギー構想」と銘打った太陽光発電設備導入への補助金制度が充実している。国の補助金などいくつか組み合わせれば、実質負担0円(補助金+節約分+売電分=ローン返済額)で太陽光発電を導入できる家もあります。すべての家が実質負担0円で導入できるわけではないので、まずは日照条件や電気の使用状況、対象になる補助金の種類などを詳しく調べさせて欲しいというのが営業マンの言。調べた結果、ホントに実質負担0円で導入できそうだという結論がでたら、ぜひ購入してほしいと。

神奈川県が推進する「かながわスマートエネルギー構想」についてはこちら→http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f300183/

 なるほど、神奈川県の手厚い補助金を活用すれば借家か持ち家かの2択と同じ考え方ができる程度には安くなってきたってわけか。

 で、どうしたかって? もちろん丁重にお断りしたよ。最初に書いた通り10年も20年も先のおトク感なんてリスク高すぎ。それも(補助金+節約額+売電額)を試算してその範囲におさまるローンを組めるかどうかを調べましょうってことだから、試算を信じて実際に導入したら節約額や売電額が思ったより小さくてガビーンでも月々のローン返済額を下げてくれるわけじゃない。それに太陽光発電は消耗品だから故障すれば修理費だって必要だ。10年保証とか25年保証とか見かけるけど、あれよく見ると「パネル」の保証がほとんど。てことはパネル以外の設備が故障したら有償修理。だいたいパネルの保証だってかなり怪しい。パネルは駆動系がないからぶっ壊れることはほぼないのはわかる(20年前に買ったソーラ電卓まだちゃんと動いてるし)、心配なのは「経年劣化」だ。太陽光パネルの発電能力は徐々に低下していく。しかしお天気次第で発電量が大きく変化するのでパネル性能がどの程度劣化してるかは調べようがない(屋根を完全遮光して一定量の光を当てたときの電流量をチェックするなんて実質不可能)。証明できないんじゃ劣化は保証の対象にならないとみるのが正解だろう。修理費や劣化を含めたら予想通り10年なり20年でにチャラになる可能性はよりいっそう低くなる(なにしろ業者の試算は修理や劣化が起きない前提になってるから)。そしてなにより技術進歩の早い分野だから10年もあればパネルは今とは比べられないほど低価格で高性能になるだろう(液晶テレビが10年間で性能は格段に向上して値段は10分の1になったように)。家計負担が変わらないまま10年待ったあげくようやく手に入いれたパネルは今や20万円の激安品にも劣る超旧型パネルに成り下がってた、なんてこともありうる。他にも高い建物が建って日陰の時間が30分増えただけでも発電量が10%近く低下するとか、いろいろリスクありすぎてとてもじゃないが実質負担0円でも導入する気にはなれない。

 あとで調べてわかったんだけど、たぶん神奈川県が民間と共同で進めてる「かながわソーラーバンクシステム」構想の一環でこの業者もその参加企業だったんじゃないかな。話していた内容がかなり似ている。↓

「実質負担ゼロ」21プランに拡大、太陽光パネル設置で県が推進策発表/神奈川
 県は10日、住宅用太陽光発電設備を安価に提供する仕組み「かながわソーラーバンクシステム」に共同住宅用を新設し、6月まで計87プランで運用すると発表した。売電収入で設置費用が回収可能な「実質負担ゼロ」の設定は21プランに拡大。県は補助金利用とセットでPRし、利用低迷からの脱却を目指す考えだ。
(中略)
 黒岩祐治知事の肝いりで昨年12月に創設したソーラーバンクシステム。今年3月末までに1200件の見積もり申請が目標だったが、実績は261件と「がっくりするくらい少ない」(黒岩知事)状況。知事はPR不足などを低迷の理由に挙げ、「補助金が使えるうちに申し込みを」と早期利用を呼び掛けている。
2012年4月10日神奈川新聞

 黒岩知事さん、悪いけどその話には乗れないわ。PR不足ってのもあるかもしれないけど、性能向上と価格下落が続いている太陽光発電設備を買わせたいならせめて2、3年で元が取れるくらいの補助がないと割にあわないよ。

しんかい6500

 今回は日本が世界に誇る有人潜水調査船「しんかい6500」のプラモデルを作ったよ。はーい、質問でーす。なんでガンプラ野郎が突然「しんかい6500」作ったんですかぁ? それはね、話せば長ーい長ーい、おい、そこ寝るな!!

 しんかい6500は独立行政法人海洋研究開発機構(JAMSTEC ジャムステック)に所属し、つい最近まで20年以上の長きにわたって科学調査用有人潜水船(一発勝負の冒険ではなく定常的に調査活動を行なう潜水船)による最大潜航深度の世界記録を持っていた優秀な船だ。その船が所属し日本の海洋研究開発拠点であるJAMSTECの本部が我が町にあるのだ。JAMSTEC一般公開日には駅前のバス乗り場がけっこうな混雑をみせるほど人気なんだぞ。

 ゆえに郷土愛が強い私は、我が町の誇りであるJAMSTECが有する「しんかい6500」のプラモデルを作らなければならないと確信したわけだ。「お前に郷土愛があるなんて初耳だ」という突っ込みはしないでくれ、たのむからそこは突っ込まないでくれ。ちなみにJAMSTEC本部のすぐ近くには日産自動車追浜工場もある。「だったらマーチとかスカイラインのプラモデルも作れよ」という突っ込みはしないでくれ、たのむからそこは突っ込まないでくれ。

 今回作ったのはバンダイがExploring Lab.のブランドで発売している1/48スケール。さすがガンプラで培った脅威の金型技術。相変わらず接着剤なしでパチパチ組み立てられるし、かなりの部品が色分けされているので切って組み立てるだけでそれなりに見応えのあるモデルができあがる。パネルラインとネジ穴にグレーで墨入れすればほぼ完璧。

 ただ一点残念なのは実物は船体上面に滑り止め塗装がされていてその部分が薄茶色に見えるんだが、プラモデルでは白のまま。せっかくなんでヘタクソなりに塗ってみたよ。ちょっと濃いめの色になっちゃったけどまあいっか。


 LEDがついているので、こんな感じで光らせることができる。寝る前に真っ暗な部屋の中でLED点灯するともう気分はすっかり深海探査! ピコーン、ピコーン、ゴゴゴゴ・・・シューッ、カコーン・・・とか。いきなりカミさんが部屋に入ってくるとかなり恥ずかしい。

 そうそう、LED点灯部周辺の外板パーツは裏を黒で塗りつぶしておいた方が光漏れがなくなってピコーン、カコーンの雰囲気が抜群によくなるよ。

 右側面のパネルを取り外すと蓄電池などの内部構造も見ることができる。この状態で展示できるように透明な外板パーツも用意されている。



 外板をはずしていくと耐圧殻を見ることができて、さらに耐圧殻の内部も見ることができる。うわっ、狭ーい! 男3人がギッチギチに詰まってる。耐圧殻内部の機器表面は水転写デカールを貼って作るんだけど細かい凸凹モールドがあるところにキレイに貼るのはさすがにしんどかった。内部はめったに見せないんだから苦手な人は無塗装、無シールで組み立ててしまってもいい。

 それにしてもさすが『”知の魅力”を伝える理工系プラモデル』と銘打ったExploring Lab.シリーズだけはある。内部構造やLEDもそうだし、組み立て説明書の半分くらいは実物のしんかい6500の解説や写真になっている。これを読むだけでもちょっとしんかい6500に詳しくなった気になれる。

 ん? 2機あるんですけど。

 しんかい6500は2011年11月から2012年3月まで約半年に渡る大改造を受けて生まれ変わったのだ。くわしくはJAMSTECプレスリリースとかマイナビ/レポートを読んでいただくとして、バンダイ様は従来のしんかい6500に新規パーツを追加した「しんかい6500(推進器改良型)」も発売してくれました。う、うれしいです。でもサイフにはうれしくないです。従来型のパーツに改良型用のパーツを追加しているので使わないパーツ(従来型用パーツ)がいろいろ出てきます。パッと見どこが違うのかわかりにくいですが、よく見ると大改造のようすがプラモデルからもわかるようになってます。細かいところがいろいろと部品が差し代わってるんですよ。

  • 前部カメラ類の一部が改良されてます。
  • ハッチ上部のセンサー類が改良されてます。
  • 音響ピンガーの間にセンサーらしきものが増えてます。
  • 後方にも水平方向推進器が増設されてます。
  • 垂直尾翼が小さくなりました。
  • 蓄電池が酸化銀亜鉛電池からリチウムイオン電池に変わってます。
  • そしてメイン推進器が大×1から中×2に変わってます。

 そ、そこまで「しんかい6500」が好きなのか?!って聞かれると困るんだけど(困るんかい)。地元の銘品がプラモデルになって目の前にあるってのはなかなかいいもんだよ。ハハハハ。