水・木・金と大阪出張だったんだけど、なか日の木曜日は午前中で仕事が終わった。ホテルが変わるのでチェックインは夕方。チェックインまで4時間ほどあるので映画でも観ようと思って映画館へ。何がやってるかなあ。「海猿」やってるなあ。でも次の上映時間まで1時間以上あるのでパス。上映スケジュールをながめてたら20分後から「十三人の刺客」という映画が始まる。近くにあるポスターを見たらなんと役所広司と松方弘樹が出る時代劇じゃないか。ほかにも知った顔の名役者がチラホラ。ん?稲垣吾郎?大丈夫か?まあ見終わった頃にちょうどチェックインにいい時間だし観よう。
徳川家将軍の弟で明石藩主の稲垣吾郎は残虐非道の限りを尽くす鬼畜のようなお殿様。見かねた老中は御目付役の役所広司に稲垣吾郎の暗殺を命ずる。役所広司は密かに腕の立つサムライ(松方弘樹など)を集めて、参勤交代で稲垣吾郎が江戸から明石へ里帰りする道中を襲撃する。映画の後半50分は役所広司、松方弘樹ら13人の刺客vs稲垣吾郎親衛隊約300人とのチャンバラ!延々とチャンバラ!!いつまでもチャンバラ!!!壮絶なチャンチャンバラバラ!!!!
殿の御目付役がこともあろうかそのお殿様を暗殺するなどというサムライの風上にも置けぬ暴挙にでる十分な納得感を強調するため映画冒頭の数十分は稲垣吾郎の鬼畜ぶりをタップリ見せられる。もう正視に耐えない鬼畜な行為が次々と・・・心臓が弱い人はこの時点で劇場お出口へとなること請け合い。かなり寝覚めが悪いシーンがいくつも出てくる。しかし、これは映画だ、特殊撮影だ、と念仏を唱えていればなんとかなる。そしてこれを越えればもうOK。オレも稲垣吾郎を暗殺せねばならんという強烈な思いで胸が一杯だ。「預かったおぬしたちの命、使い捨てにいたす」さあ「斬って斬って斬りまくれ!!!」
息詰まる頭脳戦、そして大決戦!!こんなにすごいチャンバラ映画は久しぶりに見た。13人vs300人が泥まみれ血まみれで延々50分斬り合い。それにしても松方弘樹は格が違いすぎる。オーラ出まくり。すっげー活き活きしているのがスクリーンを通して伝わってくる。ポスターの右下にいる松方弘樹を見よ。眼力が違う。三匹が斬るで見せてくれた破天荒なダイワハウチュの殺陣も好きだけど、やっぱ松方弘樹の殺陣はキレがあって美しいわ。
バカ殿と知りつつも武士とは殿をお守りするために命をかけるものだと立ちはだかる半兵衛と、それでも殿を斬ると決意している役所広司との対決が全編を通して息詰まる展開をみせてくれる。
冒頭の鬼畜描写がちょっとあれなので、女子供が観るのはお勧めしない(PG12だけどR18+でもいいと思った)が、漢サムライなら独り刮目せよ。そして劇場を出る時には君も松方弘樹だ!!トリャーっ。