光コラボの営業がしつこい

自宅も会社もNTT東日本が敷設してくれた光ファイバーを使ってインターネットを利用してるんだ。

インターネットを利用するには、何かしらの「線」を用意してくれる回線事業者と、その回線を使って「インターネット接続仲介」を提供するプロバイダーの2つの契約が必要。NTTがプロバイダー事業もやるとNTTの一人勝ちになってしまうので、NTTはプロバイダー事業をやってはいけないことになってるらしい。電気で言うところの「発送電分離」みたいな感じかな。

わたしは、ピーヒャラヒャラガーガーというアナログ電話回線の時代からもう30年近くずっと回線事業者はNTT東日本、プロバイダー事業者はASAHIネット。これで何の問題もなく生きてきた。

回線事業は完全に縁の下の力持ち。営業費や広告費をバンバン投入できるほど利益が出るわけでもない。そこで、NTT東日本は営業費用を削減するためなのか(たぶんそうだと思う)、回線の営業をプロバイダーにやってもらうことを思いついた。それが「光コラボ」。プロバイダーが自社のサービスとNTT光回線をセットで販売する。NTT東日本は自社で営業する必要がなくなって経費が浮く分の一部を営業してくれているプロバイダーに還元する。プロバイダーはNTTの回線とセットで売ることで利用者からのサービス利用料に加えてNTTからのキックバックも手に入ってもうかる。プロバイダーはもうけの一部をプロバイダーと回線のセット割引という形で利用者にも還元する。NTT東日本は営業費削減、プロバイダーはセット売りで利益増、利用者はセット割でお得。みんな幸せ、それが「光コラボ」の・・・・理想的な形・・・・理想的な・・・・形。

理想と現実は違うんだよね。

光コラボの営業マンが「NTTフレッツ光がお安くなるサービスがですぅ〜」って言うほど安くはならない。戸建てタイプで月額6,270円のフレッツ光回線利用料が1,000円以上安くなりますよぉ〜って話なんだけどね。実際にはNTT東日本との直接契約にもいろいろ割引サービスがあるんで変わらないのよ。

NTT東日本とフレッツ光を直接契約する場合、2年しばりで契約すれば戸建てタイプで月々770円割引になる。そして2021年8月時点でギガ・スマート割引というキャンペーンを使えば契約から24ヶ月はさらに412円割引がつく。

2021年8月現在のNTT東日本との直接契約の料金体系

もうこれだけで光コラボする意味がだいぶ薄れるんだけど、さらにNTT東日本と直接契約ならフレッツ光メンバーズクラブというポイントサービスがあって、2年しばりで契約してると契約年数に応じて毎月ポイントが付く。1年目なら毎月100ポイント、2年目は毎月200ポイント・・・5年目は毎月500ポイント。うちはもう20年近くフレッツ光なので最大の毎月500ポイントが勝手についてくる。さらに2年しばりの更新時に1000ポイント。24ヶ月ごとに1000ポイントってことは毎月に換算すると40ポイントってことになる。そしてこのポイントは1ポイント1円でNTTの支払いに利用できる(1ポイント1円でアマゾンギフトや楽天ポイントへの交換もある)。

2021年8月現在のフレッツ光メンバーズクラブのポイントサービス

つ・ま・り・だ。

2年縛りで月額770円引き。さらにフレッツ光メンバーズクラブのポイントでうちは毎月540ポイント付くのでこれをNTTの支払いに回せば実質月額540円引き。合計で毎月1,310円の値引きになってる。我が家のように長年フレッツ光を使ってる人も、今からフレッツ光使う人も光コラボを使わなくてもNTT東日本との直接契約で2年縛りにしておけばそれだけで十分安くなる。

光コラボのもうひとつのメリットは「NTTへの回線利用料の支払いとプロバイダーへのサービス利用料の支払いをひとまとめにできます」ってことなんだけど、どうせどっちもクレジットカードで毎月勝手に引き落とされてるからまとめなくてもまったく不便はない。

光コラボにはメリットがないどころかデメリットもある。多くのプロバイダーはインターネット接続仲介以外にいろいろ追加サービスを用意している。いまではYahoo!メールやGmailなどプロバイダーに頼らなくても無料で利用できるメールサービスはあるけど、Googleが世界を席巻する以前からインターネットを利用している人だとexample@ocn.ne.jpとかexample@biglobe.ne.jpとかプロバイダーが提供するメールサービスをいまも利用している人も多いはず。現在のプロバイダーとは別のプロバイダーと光コラボ契約をすると、当然ながらプロバイダーが変わる。現在のプロバイダーとの契約を終了すると現在のプロバイダーが用意してくれてたメールサービスも使えなくなる。かく言う私も、30年ほど前にインターネットを使い始めたときにプロバイダーが用意してくれたメールアドレスをいまだにメインアドレスとして使い続けているんでいまさらASAHIネットからプロバイダーを変更する気はもともとない。光コラボの営業マンはそんなときに「大丈夫ですよ。ほとんどのプロバイダーさんは月数百円のメールだけのサービスがあるのでそれに契約を切り替えればいいんです。このサービスで月額1,000円以上お得になるので数百円の契約を残しておいてもまだ十分お安くなりますぅ〜」とか言う。ヲイヲイ、それならいまのままNTTとの直接契約でポイント還元使った方が全然安くなるじゃんよ、というツッコミをしても無駄だ。相手の営業マンはNTTの2年縛り割引やポイントサービスのことはガン無視してるんで何を言っても「お安くなります。お得になります」の一点張り。

そういうわけで、我が家にとって光コラボはまったくもって不要なサービスだし、たぶんほとんどの人にとっても不要なサービスだと思うんだが、いや、そうであるがゆえか、いかにもNTTからの電話であるかのように「現在ご利用のフレッツ光の変更に関するご案内です」だの「NTTからの新しいサービスでお安く」とかいかにもNTTからの電話であるかのように偽装したあの手この手で営業の電話をかけてくる。ホント勘弁してくれ。30年間、回線はNTT東日本、プロバイダーはASAHIネットでやってきたんで、いまさら安くなるんだかならないんだか微妙なレベルのサービスに切り替える気はこれっぽっちもないんだ。最近は電話で「・・・NTTのフレ・・・」まで聞こえたら「光コラボにはまったく興味がないので不要です。お電話ありがとうございました」で終了。それでもよく電話かかってくるんだよなあ。あれ、どうにかしてほしいんだが、困ったもんだ。